癌の痛みは我慢するもの?癌の痛みを我慢しないためにできる方法

癌が進行すると激痛が伴うといわれています。

 

痛みは我慢することが美徳だと考えられることもあり、痛み止めを使用してはいけないと思い込んでいる人もいるのではないでしょうか。

 

無理に我慢せずに、痛みを和らげる方法を試しても良いのです。

癌の痛みを和らげるための方法は何があるのかご紹介します。

 

 

 

痛みは必要な感覚

痛みは体にとって大切な感覚です。

痛みが身体を守る危険信号の役割を果たしてくれるからです。

 

熱いものに手を触れた時、無意識に手を引っ込めますよね?それにより、やけどをしなくても済みます。

それと同じように、痛いという感覚があることで体を守っているのです。

 

 

癌による痛みの必要性

痛みは生活において必要な感覚ではありますが、癌においては必要の無い感覚です。

 

すでに癌になっている場合は、痛みによる警告だけでは、体を守りきることができません。

そのため、痛みによる警告は必要が無いものだといえるのです。

 

痛みを我慢することは、大きなストレスを与えます。

痛みを軽減すると、ストレスを取り除きます。気持ちにゆとりができ、毎日が過ごしやすくなります。

 

痛みを我慢することが美徳だと考えられることがありますが、痛みを軽減する治療を選択することも必要なことです。

 

 

癌の痛みはどういうものか

癌は進行すると痛みを伴います。癌の末期になると7割の人が痛みを経験するといわれています。その痛みは激痛だといわれています。

 

この痛みはなぜ起こるのでしょうか?癌による痛みの原因は次のようなことが考えられます。

 

・癌が臓器などに浸潤したことによる癌自体による直接な痛み

・手術、化学治療、放射線治療など治療に伴う痛み

・入院生活中におこる筋肉痛や褥瘡(じょくそう)による痛みなど

 

癌による痛みは、癌の直接的な痛みだけでなく、広い範囲で痛みが生じることがわかります。

痛みの原因が1つではない事が、癌の痛みの辛さの原因であるといえるでしょう。

 

 

痛みによる影響

痛みによりさまざまな影響が生じることも、痛みの辛さの要因です。

痛みによる影響は次のようなことがあります。

 

・息苦しさ

・咳

・吐き気

・不眠

・嘔吐

・食欲不振

・便秘

・下痢

また、体の影響だけでなく、精神的に不安定になることもあります。

 

癌による痛みを我慢していると、このような影響があります。

さらに、体が辛い状態になってしまうのです。

 

さまざまな影響のある痛みは我慢せずに、緩和する方法があります。

 

 

癌の痛みは我慢しない

近年では、癌の痛みを取り除くための新しい薬剤や方法が次々に開発されています。

また、認知も広がってきています。癌の痛みは治療により緩和することができるのです。

 

痛みの治療は、専門的な知識をもとに、行われます。

治療を開始するために大切なことは、痛みを我慢せずに訴えることです。

 

痛みを訴えることが悪いことではありません。

痛みは本人にしかわからないこと。

自分の言葉で伝える必要があります。

痛みを訴えること、医師に伝えることで痛みの治療は始まります。

 

痛みの治療を始める時期に早すぎることはありません。

もう少し痛みが辛くなってからと我慢をしないようにしましょう。

 

生活に支障をきたすほど辛い状態になる前に、早めに医師や看護師に相談しましょう。

 

 

痛みを伝える時に気をつけたいこと

痛みを適格に伝えることで、適した治療を行うことができます。

しかし、痛みという感覚は検査で測定できるものではありません。

医師がわかっているものでもありません。痛みは自分自身しか感じないものであるため、痛みの伝え方が大切です。

 

では、どのようにすれば痛みを適切に伝えることが出来るのでしょうか?痛みの伝え方について意識したいポイントが3点あります。

 

・時期

痛みは1日中あるのか どのような時に痛みがあるのか

 

・場所

どこが痛むか 1か所か広範囲であるか 痛む場所はいつも同じなのか

 

・感じ方

鋭い感じか、鈍い感じか、しびれた感じか、締め付けられるような感じかなど

 

これらを心がけると、どのような痛みがあるのかがわかり、医師が痛みへの治療を選びやすくなります。

自分の希望に沿った、痛みに対しての治療を開始することができます。

 

 

痛みに対する治療の目標

痛みに対する治療には、最終的な目標があります。

癌の痛みは完全に痛みを消し去ることができないこともあるのです。

しかし、痛みを大幅に無くすことはできます。痛みを緩和することで平常に近い生活を送ることが期待できます。

 

痛みの治療により目指す目標は、次のような3段階です

 

第1目標 夜間、ぐっすり眠れるようになる

第2目標 静かにしていれば、痛くないようになる

第3目標 歩くことや、からだを動かしても痛くない

 

この3つの目標が達成されれば、痛みが残っていても日常生活に支障をきたすことなく過ごすことができるようになります。

 

 

痛みを和らげるための治療方法

痛みを和らげる治療方法は1つでは無く、複数の方法があります。

痛みの様子を確認しながら、いろいろなやり方を試し、痛みを軽くするように行っていきます。

 

医師や看護師と相談をしながら、複数の方法を組み合わせることもあります。

痛みを和らげるための治療は次のような方法があります。

 

・痛み止めを使う

一般的な鎮痛剤を使用します。アスピリン、アセトアミノフェンなど

 

・医療用麻薬を使う

モルヒネなど 飲み薬のほかに、注射や座薬、貼り薬などの種類があります。

薬を飲むことが出来ない場合でも使用することが出来ます。

 

・神経ブロックの処置をする

痛みの原因になっている神経を麻痺させる注射を打ちます。

専門家のいる病院で行われます。

 

・放射線治療や骨セメントを行う

強い痛みの原因になる骨などに転移したがんへ、放射線を当てることや骨セメントを行います。

 

・筋肉のこわばりをほぐす

痛みの場所にある筋肉がこわばると、さらに痛みを強く感じやすくなります。マッサージや鍼、灸を行います。

 

・心の不安を軽減する

緩和ケア、精神科や、心療内科の医師などから心のケアを受けます。

 

・抗不安薬や抗うつ薬などを使う

心の不安や落ち込みを、薬によって和らげることもできます。

 

 

痛みが軽い場合に行われる方法

痛みが軽い場合に用いられることが多いのは、鎮痛剤です。

よく使用されるのは、非オピオイド鎮痛薬やボルタレン、ロキソニンなどがあります。

胃腸障害などの副作用がでる場合もあります。

 

痛みが強い場合に行われる方法

痛みが強い場合は、医療用麻薬や神経ブロックが行われます。

よく使用される医療用麻薬は、モルヒネやオキシコドンがあります。

 

 

医療用麻薬とは

痛み止めが効かないような、強い痛みの場合に使用されるのが医療用麻薬です。

 

麻薬といえば、大麻や覚せい剤といった使用が禁止された薬物と誤解されることがあります。

そのため、医療用麻薬を使用することをためらう人もいるでしょう。

 

医療用麻薬と違法な麻薬の違いについて、どのような違いがあるかを見ていきます。

 

医療用麻薬

麻薬及び向精神薬法取締法により、医療用に使用が許可されている麻薬です。

乱用されれば、健康上に重大な危害を生じる恐れがあることから、使用や管理は法令により厳格に管理されています。

 

慢性的な投与により、精神、身体依存や耐性が生じる場合があるが、痛みが生じているときは形成されにくいといわれています。

 

代表的なものはトラマドール、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、タペンタドール、メサドンなどです。

 

不正麻薬とは

麻薬及び、向精神薬取締法により、使用や所持、譲渡、譲受、製造、輸出、輸入などが禁止されています。一時的な快楽のために、闇で販売され、不正に使用されることがあります。

 

使用を続けると中毒になる物質です。

 

代表的なものは、ヒロイン、コカイン、MDMA、LSD覚せい剤、大麻などがあります。

 

不正薬物を使用しては、絶対にいけません。

 

 

医療用麻薬の中毒性

医療用麻薬を使用するにあたり、自分で制御できずに使用してしまうのではないかと、中毒症状があるのではないかと心配になるかもしれません。医療用麻薬に中毒性はあるのでしょうか?

 

医療用麻薬を痛みの治療を目的に使用された場合には、このような中毒性はありません。その理由は次のようなことが考えられるからです。

 

快楽を与えるのが、脳内にあるドーパミンです。痛みのある時は、ドーパミンの放出が抑えられる状態です。そのため、痛みのある場合にモルヒネなどが投与されても、ドーパミンの放出は抑えられます。よって、快楽や中毒症状が現れないのです。

 

反対に、痛みのない人が使用すると、ドーパミンが放出されるため、中毒症状が出る場合があります。

 

痛みのない人は使用してはいけません。医師の処方に基づかない使用は、法律違反となります。

 

 

医療用麻薬の副作用と対策

医療用麻薬を使用すると、副作用が生じる場合があります。

主に便秘と吐き気です。

これらの症状がでた場合は、軽減するための対策が取られます。

 

・便秘

便秘は多くの人が経験されます。

下剤が使用されます。そのほか水分や食物繊維を十分に摂取する、できる範囲で身体を動かす。腹部のマッサージをすることで改善が期待できます。

 

・吐き気

吐き気止めが処方されます。必ずでる症状ではありません。医療用麻薬に体が慣れてくると自然に症状がなくなることもあります。

 

・眠気

副作用による眠気もありますが、多くは長い間痛みに苦しんでいた状態から、ようやく痛みがとれることで、眠れるようになったという状態です。

そのため、しばらく眠り続けることがあります。

医療用麻薬を飲み続け、しばらくすると眠気は消失します。

しかし、眠気が気になる場合は医師や看護師に相談することができます。

 

 

痛みを和らげるだけでない緩和治療について

痛みだけでなく、身体的、精神的、社会的問題などに対して、苦痛を予防し、和らげる方法もあります。

それが緩和治療です。緩和治療により、人生の質、生活の質を改善することが期待できます。

 

緩和治療により行われるケアは、以下のような内容です。

 

・痛みやそのほかの苦痛な症状から解放される

・生命や人生を尊重しながらも死をごく自然な過程だと認める

・死を早めたり、引き延ばしたりしない

・患者の心理的なケア

・人生を積極的に生きていけるように支える

・患者の家族に対し、治療の最中や患者の死後、日常生活に適応できるように支える

・患者と家族のニーズを満たすためにチームアプローチを適応する

・人生の質、生活の質を高めて、病気の過程に良い影響を与える

 

癌を治療する患者だけでなく、家族に対してのケアもあります。

癌の治療だけでなく、生活の質を高めるための治療を選ぶことも大切です。

 

 

免疫療法という考え方

痛み止めと並行しながら行える治療に、免疫療法があります。

免疫が上がると、自然治癒力が高まります。

そのため、痛みを生じさせる癌と闘うことができます。

 

痛みを取り除く治療に合わせて、癌と闘うための免疫療法を合わせて行うことをおすすめします。

 

免疫はすぐに上がるのではなく、次第に上がるため、早い段階から取り入れることが大切です。

 

 

まとめ

癌が進行すると、痛みが伴います。

痛みは我慢することが美徳であると考えられがちですが、痛みは我慢せずに治療することが大切です。

 

痛みの治療は、痛みを医師に伝えることから始まります。

・時期・場所・感じ方

この3つを心がけて、的確に痛みが伝わるようにしましょう。

 

痛みを我慢せずに治療することで、ストレスが緩和されます。

心が前向きになり、過ごしやすくなります。

 

辛い症状に耐えるだけでなく、日々の過ごしやすさを考えることも必要です。

医療ライター。

がんの免疫療法完全ガイド

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