子宮頸がん

子宮がんはよく耳にすることが多いと思いますが、子宮がんには子宮頸がんと子宮がんの2つがあり、これらの違いをご存知ですか?これらのがんは原因も多発する年齢層も全く異なります。

 

ここではこの2つのがんの違いを説明し、また、子宮頸がん異形成と呼ばれるがん化する以前の腫瘍についても知識を深めていただければと思います。

 

子宮がんと子宮頸がん

人口動態統計2014年の調査では、子宮がんの罹患数(発生の数)は年間約25,200例です。子宮頸がんが約10,900例、子宮体がんが約13,600例です。

 

死亡数は子宮がん全体で年間約6,400人です。このうち子宮頸がんが約2,900人、子宮体がんが約2,200人です。その他の子宮がん(部位が明確ではない)が約1,300人です。

 

それでは、それぞれの違いを見てみましょう。

 

・子宮がん(子宮体がん)~子宮の奥(子宮体部)の内側にある子宮内膜にできる
・子宮頸がん~子宮の入り口部分(子宮頸部)にできる

 

原因、リスク要因、多発する年齢層、治療法はそれぞれ違ってきます。

 

 

自覚症状 初期は無症状 不正出血

 

 

原因

ヒトパピローマウィルス(ヒトパピローマウィルス) エストロゲンをはじめとするホルモンバランスの異常が原因。
子宮体がんは不正出血やおりものの異常、下腹部の痛み。

 

 

 

 

 

発症年齢

20歳代後半~40歳代

ピークは50~60歳代。
※内膜は月経とともに剥がれ落ち再生するので、月経が安定している20~40代での発生は少なく、更年期前後や閉経後にリスクが高くなる傾向にあった。

しかし最近は30代の発生も増えている。

早期発見のために

定期的に検診を受ける

不正出血で受診する

 

異形成

軽度異型性とは子宮頸がんががん化する手前の状態で、子宮頸部異形成と呼ばれる細胞異常を起こすことです。

 

異型性はがんではありませんが、将来がんになる可能性があるため注意が必要です。異型性には軽度、中度、重度と三段階で示され進行していきます。

 

子宮頸がんががん化する前の状態なので、原因は子宮頸がんと同じヒトパピローマウィルスです。

 

子宮頸がんの検診を受けた方の9割が陰性、残り5%は陽性と言われていますが、この5%のうち20%が異形成と診断されています。

 

ヒトパピローマウィルスに感染し、細胞異常が進み、実際にがんに至るまでだいたい10年かかりますが、見落とさないように定期的な検診をしていれば避けることが可能です。

 

子宮頸部異形成は自覚症状がないことがほとんどで、子宮頸がん検診(細胞診)をきっかけに発見されることが多いです。 子宮頸がん検診を受けなければ見つからないと考えてよいでしょう。

 

治療しなくても自然治癒(消退)することもある軽度異形成(CIN1)や中等度異形成(CIN2)の段階では、sugu治療することは控え、経過観察することが多いです。

 

このステージだと約半数の患者さんでは自然治癒(消退)することが多いです。

 

子宮頸がんの症状

子宮頸がんは初期のうちは、無症状である場合がほとんどです。

 

比較的早い段階で現れる代表的な症状は、性交渉後の出血ですが、おりものに血が混じってピンク色になる程度のものもあるので、見逃さないよう注意しなければなりません。

 

がんが進行すると、出血が常に起こったり、悪臭を伴う分泌物が出てきたりします。

 

下腹痛、貧血、下肢の痛みやむくみなどのはっきりとした症状がある段階だと、がんはかなり進行し、手術ではとりきれない状態にまで進んでいることが多いです。

 

子宮頸がんは初期症状に乏しいのが非常にやっかいながんと言えるでしょう。

 

生存率

子宮頸がんの生存率は比較的高いとデータで分かっています。 患者様の年齢や、選択された治療法、患者さん自身が元々もっている病気(がん以外の病気)によって生存率は変わってきます。

 

2018年の全がん協加盟施設の生存率共同調査では、それぞれの5年生存率の割合は、1期で9割、2期で7割、3期で5.6割、4期で2割となっています。

 

治療法

子宮頸がんの代表的な治療法には下記の4つがあります。

 

【手術療法】
症状が進行していて、妊娠を望まない場合、子宮全摘出術も含めて検討します。

 

もし将来妊娠を希望しているのであれば手術方法について医師の話を聞き、納得した上で進めていくことが大切です。

 

・円錐切除術:子宮頸部のみを部分的に切除する円錐切除術は、最も初期の段階では子宮温存が可能な場合があります。

 

この手術は、開腹せずに腟にメスを入れます。

 

メスやループ状になったワイヤーを切除部分にひっかけ、高周波電流を流して切除するのですが、手術後の出血も少なく、入院期間が短くてすみます。

 

日帰りで手術を行う病院もあります。

 

 

・広汎性子宮全摘術:子宮、卵巣、子宮傍結合組織(子宮のまわりの組織)までを切除する方法です。

 

・リンパ節郭清:がん摘出手術においてその病巣に関係のあるリンパ節を切除する方法です。リンパ節に転移したり、他の臓器に転移する経路となることを避けるためです。年齢が若い場合は卵巣を温存する場合もあります。

 

【放射線療法】
Ⅲ期以上まで進行すると、手術ではがんを取りきれません。

 

そのため、放射線治療を行ないます。

 

この場合、体の外からの外部照射と、膣の中から照射する腔内照射2つの方法があります。

 

併用で治療を進めることが一般的です。

 

手術後の補助療法や再発防止に用いられることもあります。

 

がん細胞が散らばっていたような場合に、肉眼では見えないがん細胞が残っている可能性がある場合、骨盤全体へ外部照射をします。

 

 

【化学療法】
子宮頸がんでは、化学療法は主に遠隔転移があるⅣ期の場合や、再発がんなどに放射線療法と併用して行なわれます。

 

化学療法でがんを縮小させた後、手術をしたり放射線療法をする方法があります。

 

 

 

【ホルモン療法】
がんの増殖を抑えるために黄体ホルモン剤を投与します。

 

手術をする必要のない段階で、子宮を摘出しないで治療したいと希望する若年の女性が選択されることが多いです。

 

子宮を残すことによる再発のリスクや、ホルモン療法による副作用のリスクなどを医師と話し合わなければなりません。

 

 

この療法は、再発の危険性の高い症例に対する補助的な治療として用いられたり、あるいは化学療法の効果が不十分な場合や、全身の状態があまり良くなく化学療法が不適切な場合に、化学療法の代替療法として行われることがあります。

 

免疫療法

私たちの健康は免疫によって保たれていると言っても過言ではありません。

 

私たちの体に備わった免疫は、体内にある自分ではない異物を見分けて、攻撃、排除したりという働きを自然にしています。

 

この機能が正常に行われず、免疫力が低下した状態になり、がんの増殖を許す結果となります。

 

 

免疫療法は、体内でがん細胞やウィルスと闘う免疫細胞を患者様の血液から取り出し、人工的に数を増やし、がんを攻撃するよう教育した後に再び体内へ戻していきます。

 

辛い副作用なくがんを攻撃することができます。がん治療では、手術、化学療法、放射線治療の三大治療がメインとなっていますが、これらは全て外部からの力でがん細胞を取り除いたり攻撃する方法です。

 

正常細胞も傷を受けたり死んだりすることがあるため、それが副作用へとつながる場合があります。

 

 

これに対して免疫療法は外部の力で直接がん細胞を攻撃する方法ではありません。

 

患者様の身体内部にある免疫細胞を培養してがんを攻撃するという違いがあります。

 

免疫細胞療法は三大治療と組み合わせて行うこともできます。

 

最近では、三大治療の効果が患者様ご本人の免疫状態によって大きく左右されることも明らかになってきており、免疫療法は三大治療の効果を高めることも期待されています。

 

さいごに

 

子宮頸がん検診(細胞診)を受診していれば、がんになる前の細胞の変化やがんを早期発見することができます。

 

早期発見できれば子宮も命も失わずに治療することが可能です。各自治体では、20歳以上の女性は無料あるいは低額で受診できる子宮頸がん検診を実施しています。

 

しかし、2年に1回しか受けられないところが多いこともあり、チャンスを逃さないことが大切です。

 

早期発見のために年に一度は自分で産婦人科に行って検診を受けましょう。

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