がんの民間療法って本当に効果があるの?

がんの民間療法は怪しいと見なされることも多い一方で、末期の患者など他に施す手段がないと言われた場合藁にもすがる心境で頼りたくなる療法かもしれません。ここではがんの民間療法にどのようなものがあるかを紹介し、まだ効果が実証されていない民間療法を取り入れる場合にどのような心構えが必要かについてお話します。

 

目次

がんの民間療法

民間療法とは

がんの民間療法とは3大療法である手術、化学療法、放射線療法以外全てのことを指します。

なぜこの民間療法は未だにどれも浸透しないか、理由を挙げてみましょう。

 

がんの民間療法はまだ国に認定されていないが利用者は少なくない

民間療法がいかがわしいと敬遠される理由は、民間療法で効果があったという化学的根拠がないことと、症例が少ないために国が認めていないからです。ですが、がんの民間療法においては患者の5割~9割に民間療法が浸透しているというデータがあります。2005年の厚生労働省研究班の調査では、約4割強のがん患者が利用していました。これはがんが他の疾患に比べて、治療後の療養生活が長いことや進行の様子によっては、治療そのものが難しい場合があるためでしょう。がんの治療において副作用が酷いと問題になることもある

化学療法がありますが、そのような副作用に耐えられずに民間療法を検討する患者も少なくないようです。

民間療法の情報はありふれていますので、どのような目的で、どのような効果を期待して使うのかなど、内容を賢く吟味しなければなりません。

 

民間療法の宣伝の問題点

民間療法を受けた患者さんの中にがんを克服した人、症状が改善した人もいるでしょう。一方改善しなかった人もいるでしょう。ですが、客観的なデータを示さずに「奇跡的に治った」などとうたわれているケースも多々あります。これはがんの民間療法の宣伝の問題点となっています。

 

3大療法との違い

民間療法は自由診療、3大療法は医療保険が使える医療として国が認定していることが大きな違いの一つです。民間療法と3大療法との関係は、3大療法の効果が出なくなった後に代替医療に移行する、3大療法と並行して行う2つのパターンがあります。※例外的に3大療法と相性が悪い代替医療があったり、3大療法を拒否する患者が代替医療を単独で受ける場合もあります。

民間医療は保険が効かないため多額の治療費を請求されることもありますので注意しましょう。

 

民間療法の注意点

どのような患者が民間療法を受けようとするのか

民間療法は医師に「もう治療法がありません」などと言われた末期がん患者の多くが検討する療法と言われています。また、末期がん患者でなくとも、手術、放射線、抗がん剤が一通り終った患者が不安になって検討することが多いようです。治療が終わると医師から「これで治療は終わりです。あとは普通に生活してください」と言われるため、「また再発するのではないか」という不安に駆られるため「何かしなくては」と思うのでしょう。がんの治療を行う病院は一刻を争うがん患者の対応で忙しく、治療が一段落した患者へのアドバイスが十分にできていないため、そのような方を民間療法に興味を持たせるのでしょう。

 

がんの民間療法を行う患者が感じているがんの3大療法のデメリット

患者がデメリットを感じる治療は特に抗がん剤と答える方が多いようです。効果よりも免疫力を低下させて、命を縮めてしまう懸念がある、などの意見があります。一方民間療法には、免疫力を高め、再発の不安を和らげるなどのメリットがあると主張します。

 

民間療法の種類

民間療法の種類と、どのように効果があると言われているか見てみましょう。

 

1, 高濃度ビタミンC点滴療法:血中に大量のビタミンCを投与すると、大量の過酸化水素が発生し、がん細胞を死滅させます。正常な細胞は過酸化水素を中和する機能があるため破壊されません。このことから抗がん作用があるのではないかと注目されていますが、大規模な臨床試験でも、がん細胞を縮小させる効果は確認されているわけではありません。

 

2, マイクロ波などの温熱療法:ラジオ波によって発熱を起こし、がんが熱に弱いという性質を利用し、腫瘍を縮小さる方法です。

 

3, 漢方(体力をつけたり体を温めるために):朝鮮人参、黄耆、参耆剤、補中益気湯は気力と体力が維持できます。体を温める効果のある漢方などを併用すると体が温まるので抗がん剤の効きも良くなることもあります。

 

4, テラヘルツ派、放射線のホルミシス効果(玉川温泉など):放射線ホルミシス研究委員会によると放射線によりDNA修復が活性化されると言われています。

5, オゾン療法:ドイツでは保険診療が認められている療法です。細胞の活性化、免疫力の強化、抗酸化力の強化、酸素利用率の向上の効果があります。

6, アガリクスなどの健康食品:ハラタケ属という種類に属するキノコです。一般的に売られている商品は効果が国の専門家によって検証されていないため、このような食品を取り入れる場合は事前に情報収集し、注意が必要です。

 

民間療法の宣伝に躍らせられないために

末期患者の心境

「がんの末期」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。「手遅れである」、「末期」という悲観的な印象を持っている方は多いのではないでしょうか。末期とされるステージⅣは最初にがんが発生した臓器を超え、転移している状態です。また、別の部位に転移している状態である以上、1つを取り除いたとしても生存期間を延ばすことが厳しくなってくるのは確かに事実です。もし自分が「末期である」、「手の施しようがない」と言われたら絶望的な気持ちになり民間療法のメリット、デメリットも冷静に判断できないまますがる気持ちが出てくるでしょう。ここで気をつけなければいけないのは冷静な判断ができない状態で、民間療法を使った弱みに付け込む商法に惑わされないことです。

 

 

 

心地よい言葉に気持ちが傾かないように注意する

「緩和ケアをしませんか?」、「もう使える抗がん剤がありません」などと言われたら、患者であれば医師に見捨てられたと感じるでしょう。その時に「民間療法で治ります」という

 

冷静な判断をするために「がん相談支援センター」で情報収集を

がん相談支援センター」では、免疫療法について適切な情報提供を受けることができます。担当医に相談できずに迷ったら自分が受診していない病院でも相談できます。がん相談支援センターに相談をして、アドバイスを受けましょう。標準治療ができなくなるなど治療の選択が狭まって困っている場合は自由診療でのがん免疫療法(広義)を選択肢として考えることができます。

その選択をする前に臨床試験、治験などの研究段階にある医療に精通した医師にセカンドオピニオンを求めることができます。セカンドオピニオンを求める医師がうまく探せない場合には、ご自分の担当医やがん診療連携拠点病院などに設置されているがん相談支援センターに相談することができます。このような機関を通して冷静に情報収集をした上で民間療法を受けることで納得のいく判断と、結果的に効果がなかったとしても自身の判断に対する後悔はなくなるでしょう。

 

3大療法以外に検討すべき方法

免疫療法

民間療法と同様に免疫療法も代替療法と呼ばれることがありますが、免疫療法はクリニックで受ける療法です。前述した民間療法と組み合わせても効果が期待できる療法です。免疫療法とはがん患者の免疫を活用して免疫からがんにアプローチする方法です。

健康な方の場合、身体の免疫ががん細胞を排除します。しかし免疫が弱っているとがん細胞を排除できず、どんどん進行させていきます。

抗がん剤は3大療法の中でも使用されることが多いですが、免疫力を低下させてしまうというリスクがあることから免疫療法と組み合わせることもよくあります。

化学療法単体だと免疫力を下げますが、免疫療法との併用により自己の体に備わっている免疫力を落とさずに、そして化学療法による副作用を軽減させながら治療をすることが可能になります。

免疫療法はがん再発や予防にも使用することができます。

また、末期のがん患者が残された余生をストレスなく過ごすために、QOL(生活の質)向上のために取り入れることもあります。

 

緩和ケア、がんサロン

抗がん剤の効果が期待できないほど末期的な状態、高齢、他に疾患があるなど体力が十分でなかったりする患者さんの場合は、無理に化学療法などを行なわず、緩和ケアを優先させることもあります。しかし緩和ケアを勧められたからと言ってもうなす術がないということではなく、緩和ケアはがんの初期段階からも導入されているケアです。WHOでは緩和ケアの目的は下記のように定義されています。

 

・患者のQOL(生活の質) の維持向上を目的とし、その人らしく最期まで生活することを支える。

・身体的苦痛だけでなく、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛(生きる意味、死生観など)の緩和を目的とする

・患者の抱える困難にチームアプローチで対処する.

 

精神的な絶望感、身体的な辛さについても緩和ケア専門の心療士が存在します。民間療法を取り入れるかどうか、どのようなQOLを目指すかなどについて迷っていることは何でも相談することができます。

 

また、がん患者同士で話すことも心のストレスの軽減に役立つでしょう。がん患者が集う「がんサロン」という場が病院内に備わっていることもあります。そこではがん体験者が、患者の悩みを聞く「ピアサポーター」という制度もありますので是非活用してみましょう。

 

食事療法と運動

民間療法にはいろいろな製品が食事療法として紹介されていますが、基本的な食生活を見直すことをまず行ってほしいと思います。進行させない方法としては直射日光を避け、ビタミンなどの抗酸化作用のある栄養素を摂り、ストレスをためないことです。

バランスよく、菜食中心にすることが推奨されています。

 

さいごに

日本ではがんの死亡者が年々増えているため免疫療法への注目が高まっています。アメリカなどの欧米では、3大療法に限界を感じて1990年から代替医療に取り組んでいますが、日本は遅れを取ってるのが現状です。米議会がん問題調査委員会では「3大療法よりも、代替医療の方が末期がん患者を救っている。」との報告も出しています。その結果アメリカは、がんの死亡者数は年々減少傾向にあります。免疫療法はまだ国に認定はされていないものの3大療法に次ぐと言われているほどですので、もし興味をお持ちであれば担当医を始め「がん相談支援センター」などで話を聞いてみてはいかがでしょうか。

また免疫療法の分野でも免疫療法アドバイザーという専門家がいますので、治療内容や費用について情報収集をしてみて、自分に合いそうであれば選択肢のうちの1つとして検討してみるのも良いでしょう。

 

 

医療ライター 吉田あや

得意分野:医療系ライティング、経営者インタビュー記事など。

writer.happy02@gmail.com

 

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