がん痛み止め

がんを一度も患ったことのない方はがんがどのような痛みなのか、抗がん剤がどのような痛みなのか全く想像がつかないでしょう。どのような痛みの種類があるのでしょうか。

 

 

目次

がんの痛み

がんと聞いてどのような痛みのイメージがありますか?がんそのものの痛みというより抗がん剤の副作用が辛そうだ、という印象が強いかもしれません。

 

がんにはがんの種類によって様々な痛みがありますが、だいたいのケースが下記の痛みの種類に分類されます。

 

特定非営利活動法人日本緩和医療学会の「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」によると、下記のような痛みが挙げられます。

 

あまりにも辛い抗がん剤の副作用

がんにもそれぞれの痛みがありますが、その痛みを軽減するための抗がん剤治療の問題点は、副作用にあると言われています。

抗がん剤治療や放射線療法はがん細胞だけを識別して殺傷するのではなく、正常細胞に対しても同時にダメージを与えます。

これらの療法は細胞分裂を活発に行う細胞に対して、より強いダメージを与えるという特徴を利用したものだからです。

 

例えば生殖細胞、免疫系の元となる骨髄細胞、毛髪細胞、消化管の粘膜細胞などは正常の細胞ながらの増殖の早い細胞のため髪の毛が抜けたり、白血球が減少したりするということが起こります。

 

抗がん剤に多く見受けられる自覚的に深刻な副作用は激しい吐き気と嘔吐です。

これは経験した人でなければ分からないほど辛く、「こんなに辛いのであればもう治療は続けたくない」と言って治療を中断、中止することもあります。

 

しかし痛み止めを使用しなければがんの痛みに耐えられないほど、がんという病気は強い力を持ちます。日本で使用されている鎮痛剤にはどのようなものがあるか見ていきましょう。

 

非オピオイド鎮痛剤とオピオイド鎮痛剤

上記のようながんの痛みには鎮痛剤が使用されます。非オピオイド鎮痛薬とオピオイド鎮痛剤の2種類があります。

 

非オピオイド鎮痛剤

まず、がんの痛みの弱いうちは非オピオイドの解熱鎮痛薬が使用されます。炎症を抑える作用もあるものとそうでないものがあります。炎症を抑えるものと解熱だけに効くものと2種類あります。

がんの痛みのうち弱い痛みには、非オピオイドの解熱鎮痛薬が使われます。解熱鎮痛薬はさらに、①炎症を抑える非ステロイド性消炎鎮痛薬と、②炎症を抑える作用のないアセトアミノフェンに分類されます。
非ステロイド性消炎鎮痛薬は、がんに伴う痛みの緩和(骨への転移に伴う痛み、がんに伴う発熱など)に用いられますが、副作用として肝機能障害や胃潰瘍のような症状が出てくる可能性があります。
アセトアミノフェンも初期の弱い痛みから使用される薬剤で、解熱作用もあります。
解熱鎮痛薬は、モルヒネなど何種類か組み合わせて治療効果が高まると言われています。

 

オピオイド鎮痛薬とは

非オピオイド鎮痛薬が効かないほどがんの痛みが強い場合、オピオイド鎮痛薬という薬剤が選択されます。オピオイド鎮痛薬は、神経系の司令塔の部分である脳や脊髄に関連して作用し痛み抑えます。また、医療用麻薬とも呼ばれています。法律で医療用に使用が許可されている麻薬で、痛みの治療を目的に適切に使用することが重要です。

処方量は患者の症状のよるため、痛みのレベルを見ながら調整します。ご存知の方も多いモルヒネなどもこの部類に入ります。その他にフェンタニルやオキシコドンといった名称のものがありますが、性質や使用法は薬の種類によって異なります。
また、非オピオイド鎮痛薬や鎮痛補助薬と併用することもできます。
医療用麻薬は非オピオイド鎮痛剤と比べ強い薬のため、副作用が強く現れます。消化器系の副作用として、悪心・嘔吐、便秘があります。その他では、眠気、せん妄・幻覚、呼吸抑制、口内乾燥、掻痒感、排尿障害、痛覚過敏などがあります。
 

「医療用麻薬」と不正麻薬との違い

抗がん剤の痛み止めは「麻薬」という言葉が付いているせいか知らない人にとってはイメージが良くないかもしれません。覚せい剤や大麻などのような怖い印象、または中毒になり使い続けないといけないのではないかと思う方もいます。そのような麻薬は不正麻薬・覚せい剤ですので抗がん剤の痛み止めとは全く成分が違いますし、慢性的に続く強い痛みのある患者に医師が処方する医療用麻薬では依存性がないと科学的にも証明されています。

抗がん剤の痛み止めとして使用される鎮痛薬は、効果が比較的穏やかな歯痛などに使用される薬から、鎮痛効果が強い医療用麻薬モルヒネのような薬が使われます。
これは、痛みの強さに応じて、それぞれの患者の痛みがとれる鎮痛効果がある薬が使い分けられています。

 

 

 

【補足】日本におけるオピオイドのイメージ

鎮痛剤をはじめとする依存問題がアメリカで問題となりました。全米の市町村や郡が、2015年だけで3万3000人の犠牲者を出した薬物中毒危機です。オピオイド鎮痛剤は、このようなネガティブなニュースもありますが、日本では国の管理によって医師が処方することを徹底しているので心配はありません。

 

痛みをできるだけ軽減しがんの治療をすること

このようにがんそのものやがんの治療には大きな痛みを伴います。痛みを緩和して治療ができるように様々な対策が取られています。がんの3大療法である手術、放射線治療、化学療法の痛みを和らげるためにサポートをしてくれるケアを2つ紹介します。

 

緩和ケア

緩和ケアという言葉はあまり聞いたことがないかもしれません。緩和ケアとはがん患者に対して「痛みを感じたらすぐ始めるケア」と推奨されています。具体的には「痛みを緩和することは全て」になるため、上記に紹介した医療用麻薬の投与も含まれます。その他では精神的なケアが挙げられます。がんと診断されたとき多くの患者が絶望感や不安に襲われます。ストレスは相当なものでこれは免疫を下げることに繋がることも明らかになっています。緩和ケアが日本でまだ浸透していない理由の1つはホスピスのように末期がんの患者が受けるイメージが強い点が挙げられます。欧米では緩和ケアが浸透している国は多く、イギリスでは緩和ケアに対しての医療制度がしっかり整備されています。日本では、がんと診断されて「緩和ケアをしますか」と言われたらそんなにひどいがんなのかと思ってしまうかもしれません。少しでも痛みを感じたら主治医や看護師に相談して下さい。いろいろな手段や専門家が準備されています。

また、緩和ケアは患者だけでなく家族も受けられます。家族の一人ががんになったら相当な精神的苦痛が家族にも伴います。そのような辛さを我慢することなく苦痛を和らげる方法があるということを知ってほしいと思います。

 

 

免疫療法

健康な方は、身体にとって有害・不要なものなどを排除しようとする仕組みである免疫系が働いて健康を維持しています。しかし何らかの理由でこの免疫系が弱まるとがん細胞は発生し、増殖していきます。また手術などでがんを排除しても免疫系が弱ったままではがんの再発や転移を繰り返します。免疫療法は、この弱まった免疫系の力を回復もしくは再生させることで身体が本来持っているがんと闘う力を取り戻していきます。

 

手術、化学療法、放射線治療に比べて目立った副作用がほとんどない治療法であるのも利点です。

 

抗がん剤の辛い副作用に鎮痛剤を使用する方や治療自体を中断する方も多いかもしれません。また鎮痛剤を使用することで免疫力の低下を心配する声もあります。しかし免疫療法を行っている場合、免疫力を保ちながら抗がん剤治療ができるためこういった副作用を軽減や医師の指示通り抗がん剤を投与することができます。また免疫療法はがんの早期段階から開始することでより効果を発揮することも分かってきました。

それだけでなく、再発や転移の場合にも生活の質の改善という観点からは良い結果が出ています。

さらに免疫療法はがんにかかってから受けるのではなく、がんの予防にも大いに効果を発揮します。家族にがんの既往歴のある方は早めに受けることでリスクを軽減することになりますし、免疫療法はがんだけでなくあらゆる病気に打ち勝つ免疫力を育てていきます。

免疫療法は世界的権威である科学誌、サイエンスでも2013年の「科学のブレークスルー(画期的な進展)」のトップとして取り上げられました。免疫療法は、手術、化学療法、放射線治療などのがん3大療法に次ぐ第4の治療として大いに注目を集めています。

今後人間の寿命が延びて100歳まで生きる人が増えると予測されています。がんの治療が終わっても長寿まで免疫力が良い状態で保たれれば、80歳を越えても元気に充実した生活が送れるのではないでしょうか。たとえ長寿になってがんを発症したとしても免疫力が備わっていれば「もう高齢だから」と言って弱気になることも減ってくるでしょう。

 

がんの治療における食事

がんと診断されたとき、上記の免疫療法を取り入れながら食事も見直していきましょう。

がん患者はがんの痛みや薬の副作用により食べることが困難な場合が多いです。そのため、治療の前に既に体重が減り、栄養状態も悪くなっていることが多いようです。

食事も治療の一つであると意識して栄養をバランスよく取り入れて、積極的に高エネルギー食品摂取で体力をつけていきましょう。放射線治療や化学療法を受けると白血球が下がりますが免疫療法ではこれを再び上げることが可能です。

その他にがんになりにくくする方法、進行させない方法としては直射日光を避け、ストレスをためず、ビタミンなどの抗酸化作用のある栄養素を摂ることです。

 

さいごに

がんそのものの痛みから治療の痛みについてご理解いただけましたでしょうか。がんによって発生する様々な痛みは想像を超えるほど辛いですが、自分がどのような生活の質を保ちたいか、家族のサポートや人生において実現したいこと、様々なことを含めて主治医と相談しながら治療選択をしていってほしいと思います。

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