胃がんと骨転移から考える余命について


胃がんは、日本人が発症しやすいがんの一つです。

私たちが食べたものは、胃において貯留したのち消化されます。胃がんとなった胃は機能しないため、食事が摂取できなくなり体重は減少していきます。

また、がん細胞が増殖を繰り返すことで原発巣から血流に入り骨転移した場合には、全身状態も悪くなり治療が困難となれば、余命を宣告されることがあります。

 

今回は、胃がん・骨転移に注目してがんによる余命を考えます。

胃がんとは

胃がんは、胃を組織する壁の中で発症したがん細胞が増殖してなります。

本来であれば、体内の免疫細胞によって、がん細胞は攻撃されるのですが何らかの原因でそれができないため、胃で増殖したがん細胞は他の臓器や骨などに広がり、全身へと転移していきます。

 

スキルス性胃がんとは

胃がんには、悪性度が高くがんの進行が早い、スキルス性胃がんがあります。

スキルス性胃がんは、胃がんを発症した人のおよそ10%といわれています。がん細胞が大きくなる速度が早いため、検診では異常がなかったのに、1年後には胃がんを発症しているというケースも少なくありません。

 

早期で発見されることは稀で、すでに末期で治療できない状態で発見されることも珍しくはありません。

症状について

胃がんの症状は、主に5つあります。

 

・胃の痛み

・胃の不快感

・胸やけ

・吐き気

・食欲不振

 

これらの症状は、胃がん特有の症状ではなく胃炎や胃潰瘍やストレスでも現れるため、検査をして判断していきます。

 

また、人によっては自覚症状がない場合もあるので、検診や検査の必要があります。

検査について

最初に行われる検査は、バリウムを服用して胃のX線撮影です。この検査は検診でも行われており、胃の異常の有無を確認します。

この検査で異常が見つかると、内視鏡検査を行います。内視鏡は胃の内部が確認できるだけでなく、異常部分の組織を採取することができるので、組織が胃がんであるかの病理検査を行います。

 

ここまでの検査で胃がんであることが確定すると、さらに胃がんの大きさや範囲など状態を確認するために、CT・超音波検査・注腸検査を行います。

ステージについて

ステージとは、がんの進行度を表しています。

胃がんのステージは、下記の表のように決められています。

 

山口県立総合医療センター:https://www.ymghp.jp/診療科案内/診療センター/消化器病センター/胃がん/

 

早期がんであれば、がんも胃に止まっており治療によってがん細胞を取り除くことも可能です。また逆に末期がんで発見された場合には、広範囲にがんがあり、他の臓器や骨などに転移しているため、治療が困難となります。

 

胃がんの深達度は、下記のように決められています。

山口県立総合医療センター:https://www.ymghp.jp/診療科案内/診療センター/消化器病センター/胃がん/

治療について

胃がんはがんの標準治療といわれる、手術・化学療法・放射線治療が適応となります。また、早期発見でがんのサイズが小さい場合には、内視鏡によって、がんを切除する手術を行います。

 

ステージ別の治療方法について

胃がんのステージ

治療方法

補助的治療

IA

内視鏡による切除

 

IBIIIB

手術

化学療法・対症療法

IV

化学療法     

放射線治療    病態や本人の意志により、積極的な

緩和手術     治療をしないことがあります。

対症療法

骨転移とは

がんは、血流に入り骨にまで広がっていきます。これを「骨転移」といいます。

骨転移と聞けば治療が困難で治らないイメージがありますが、骨転移に対する治療もあります。

骨がもろくなり、思うような行動ができなくなったり、骨折しやすくなります。

 

比較的、骨転移する確率が高いとされるのは、肺がん・乳がん・前立腺がんです。これ以外のがんでも骨転移の可能性はあります。

 

骨転移しやすい部位

体の骨の中でも、大きな骨に転移するといわれています。

 

・背骨

・肋骨

・骨盤

・大腿骨

・上腕骨

熊本赤十字病院:http://www.kumamoto-med.jrc.or.jp/user/cancer/bone.html

症状について

がんにより骨転移をすると、全身に辛い症状が現れます。

 

・痛み

体を動かすだけでも痛みがあります。歩いたり、起き上がることも徐々に困難になっていきます。

 

・骨折

骨がもろくなるので骨折は起こりやすくなるため、軽くぶつけたり、つまずくだけでも骨折することがあります。

 

・麻痺

骨転移した部位にもよりますが、神経を圧迫することで手足が痺れることがあります。

 

検査について

がんの確定診断がされると、治療の前に検査をして骨転移の有無を調べます。

基本的には、画像診断にて確認します。

 

X線単純撮影

CT検査

MRI検査

骨シンチグラフィー

 

骨転移した骨の状態としては、骨が固くなる・骨が溶けたような状態になるとされています。

 

また、がんの治療中でも体に痛みがある時には同様の検査を行います。

 

治療について

骨転移の治療は、痛みを緩和したり患者様のQOLを向上させるために行います。

 

薬物療法

痛みを緩和するために鎮静剤を使用します。

 

手術

骨折した部位、神経を圧迫している部位などを手術によって痛みを緩和させます。

 

放射線治療

がんの標準治療にある放射線治療は、腫瘍を小さくする効果があるだけでなく、痛みを抑える効果もあるとされています。

余命について

がん細胞は、増殖を繰り返しているので進行を止めることは、とても困難です。

そのため、がんができた臓器から血流に入ったり、腹膜でこぼれ落ちるように転移していきます。

医学の進歩とともにがんに対する治療も効果が上がっていますが、やはり根本的な原因は解明されていないので、根治させることは難しいとされています。

がんが発見された時にはすでに治療ができない状態という場合も避けられません。

 

がんの末期状態と医師が判断した場合には、これまでの経験や症例に基づいて患者様やご家族に対して「余命」を伝えます。

 

胃がんから考える余命について

胃がんは、スキルス性胃がんのように進行の早いものや、自覚症状がない場合があるため、発見が遅れるものがあります。

 

胃がんといわれた全ての患者様が同じ病態ではありませんから、医師から告げられる余命は、様々ですが「数ヶ月〜1,2年」とされることが多いようです。

 

骨転移も求められる胃がんの末期状態とは

治療が困難となるステージⅣが、末期状態とされています。

ステージⅣとは、胃の壁の深い部分にまでがんは到達しており、他の臓器や骨転移している状態にあります。

 

痛みや吐き気、食欲不振など全身状態は悪く、患者様自身が治療に耐えられるだけの体力もないため、積極的治療は、非常に難しいとされ、痛みを緩和する治療以外は行わないとするケースもあります。

 

また、骨転移をしている場合にはその部位や全身に痛みがあり、骨自体ももろくなるため、動けないままベットで過ごす時間も長くなります。

 

自分らしくあるために、治療をしないという選択

がんを患い、自分の命が長くないと言われた時、ご自身だったら何を思うでしょうか?

 

家族や大切な人がいれば、1日でも長く生きたい、治したいと、できる限りの治療に取り組む方もいるでしょう。

 

そして、治療のためだけに毎日ベットの上にいることを嫌い、自宅にて日常生活が送りたいという方もいます。

 

がんによって、入院が長くなると自分らしさを失うように考える人もいます。いま、余命を伝える時に医師は治療を押し付けるようなことはありません。いくつかの選択肢が用意されていますし、あくまでも、患者様とご家族がどうしたいのかを考えて欲しいと伝えています。

サポートが必要であれば、医師だけでなくソーシャルワーカーなど病院スタッフが相談にのります。

 

すぐには決められないとは思いますが、自分の気持ちを大切にして日々を過ごしていただきたいと考えます。

免疫療法について

ノーベル医学生理学賞の発表ともに嬉しいニュースが飛び込んできました。

がんの免疫治療薬の研究と開発を続けてきた本庶佑(ほんじょ たすく)京大名誉教授に贈られるというです。

がんに対する第4の治療法として認められてきた免疫療法には、非常に喜ばしいことです。

 

具体的には、免疫細胞のある「PD-1」を発見して「オプジーボ」というがん治療薬を開発されました。

PD-1は、免疫細胞の一つであるT細胞と結合してがん細胞を攻撃する本来の働きができるようにします。

 

オプジーボはこれまで高額な治療薬でしたが、201811月より17万円に引き下げられます。さらに保険適用が認められるがんの治療として使えば、高額医療費の対象となります。

免疫療法は、非常に高額で治療が続けられないと諦める患者様もいますが、こうした動きは、将来の免疫療法への期待が高いことが伺えます。

 

本庶氏は、ある講演にて

 

免疫こそが、がん細胞にとどめを刺している。免疫療法はやがてがん治療の第1選択肢になるだろう

引用先:山陽新聞社 http://www.sanyonews.jp/article/809737

 

このような展望をお話しされました。

私たちの体には免疫機能があり、ウィルスや菌を除去する働きが元々あります。持っている体の機能を活かして、がんの治療にあたるのはごく自然なことであり、可能にする未来の医学に期待したいと思います。

まとめ

胃がんと骨転移を中心に余命についてご紹介しました。

胃がんは、その症状から胃炎や胃潰瘍と同じであることから、発見しづらいがんでもあります。

また、体に痛みが先行する場合は整形外科を受診しても、がんによる骨転移とは考えにくく、こちらも診断までに時間がかかります。

 

発見が遅れれば、治療も困難となりますから「余命」という言葉を告げられることにもなります。

宣告される本人にしか気持ちがわかりませんが、どうしたいかは自分自身で決めるしかありません。時間をかけてでも、どうぞ自分らしさを見つけてください。そんなあなたをサポートする人は周りにたくさんいるはずです。

 

出典

山口県立総合医療センター:https://www.ymghp.jp/診療科案内/診療センター/消化器病センター/胃がん/

熊本赤十字病院:http://www.kumamoto-med.jrc.or.jp/user/cancer/bone.html

 

引用先

山陽新聞社:http://www.sanyonews.jp/article/809737

 

文:長谷川祐子(医療ライター)

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