腎細胞がん

腎細胞がんの問題点の1つは、症状がないまま見過ごしステージⅣになると急激に生存率が低くなることです。そのためにも早期発見が非常に重要になってきます。腎細胞がんのステージごとの生存率、兆候として見られる症状、治療にはどのようなものがあるのかを、ここでは紹介していきます。

腎細胞がんの危険因子・症状・ステージ

腎細胞がんとは

腎臓は背骨両側に左右に2つあり、手前から見るとおへその少し上の部分にあります。尿を作って血液の中の老廃物をろ過し、対外に排出する役割や、血圧の調整や貧血にならないようにする働き、血液をコントロールするホルモンや赤血球を増やすホルモンを作る役割、体内の水分調整したりする役割があります。
これらの働きは腎臓の中にある尿細管という管の中で行われるのですが、腎細胞がんはこの細い尿細管に発生するがんのことを指します。

2011年の腎臓がん(腎細胞がん、腎盂がん)の罹患数は男性が1万5846例、女性が7236例です。(国立がん研究センターのデータより)男性に多いがんで、年代別では40代から始まり、特に50〜60代からかかる率が急増します。ですが最近では、20〜30代にも腎細胞がんの発症が見られるようになってきました。

腎細胞がんの危険因子

他のがんにも言えることですが、腎細胞がんの原因も肥満、高血圧、喫煙などの生活習慣が挙げられます。
腎細胞がんに特徴的なことは、腎臓透析を受けている方がかかりやすいと言われています。長期的に透析を受けている方、特に10年以上続けている方はリスクが高まります。
職業に関連するものとしては、カドミウムなどの重金属や、一部の石油由来の物質に長期にさらされているとかかる率が高まります。

また、遺伝子学研究の進歩により、腎細胞がんの多くはVHL遺伝子という遺伝子の異常が原因となることが分かっており、VHL遺伝子に異常のある家系から腎細胞がんを発生しやすいことが知られています。米国ノースカロライナ大学のW. Kimryn Rathmell氏によると腎細胞がんの60~70%のうち58%にVHL遺伝子の変異が認められていたという研究結果を残しています。腎細胞がんは早期で発見され手術すれば完治が可能です。腎細胞がんは初期症状が出にくいがんと言われており、がんの大きさが大きくなってから血尿などの症状が現れます。ですが最近では検査技術が発達し、健康診断で早期に発見も可能となっているようです。


症状

がんが小さいうちはほぼ無症状で、大きくなるにつれてさまざまな症状がみられるようになります。下記に主な症状を紹介します。
・血尿、わき腹の痛み、腹部のしこり
・貧血、発熱、食欲不振、体重減少
※赤血球増多症や高血圧、高カルシウム血症などが合併することもまれに起こります。

これらの症状は他の病気にも当てはまる初期症状のためすぐに腎細胞がんと結びつけるのは非常に困難です。ですが少しでも違和感があれば医師に相談してみることが重要だと、次のステージ別の生存率を見ると分かるでしょう。

 

腎細胞がんのステージ

腎細胞がんの進行のステージは次のように分類されます。

Ⅰ期 腫瘍の大きさが7cm以下で、腎臓内に留まる
Ⅱ期 7cmを超え、腎臓内に留まる
Ⅲ期 周囲の副腎、脂肪組織、血管に広がり、近くのリンパ節に転移
Ⅳ期 上記に加え他の臓器に転移

それぞれの5年生存率はⅠ期で95%、Ⅱ期で82%、Ⅲ期で62~77%、Ⅳ期で10%以下となっています。Ⅳ期になると遠隔の転移がある状態で、急激に生存率が低くなることが分かります。

診断・治療法

診断について

初期症状の出にくい腎細胞がんですが、最近では定期健診や他の病気で検査を受けた際に偶然に発見される患者さんも増えてきました。(超音波検査など画像検査) によるとがんの半数以上は腫瘍径4センチ以下の早期がんである場合が多いようです。人間ドックなどの超音波検査で腎細胞がんが疑われる場合には、さらにCT検査などで精査し、診断を確定します。確定されたらがんが腎臓内だけなのか、他の臓器に転移しているのかなどを調べます。転移が疑われる場合、肺のCT検査、胸部X線検査で転移の有無を調べることもあります。これは腎細胞がんが肺に転移しやすいためです。

治療法

がんが腎臓内にとどまっているかそうでないか、高齢の患者で手術が体力的に向かないなどの基準で治療法方法がかわってきます。

手術 がんが腎臓にとどまっている場合には手術が可能なため手術を行います。がんの大きさ、ひろがり、反対側の腎臓の働きなどを考えて手術方法を決定します。手術には腎摘除術(がんのある腎全体を完全に摘出)と、腎部分切除術(がんの部分だけを摘出)があります。
監視療法

腫瘍が4センチ以内の腎臓内にとどまっている場合、特に、高齢であったり、他の病気にかかっていたりするために、手術をするには危険性が高い患者さんに適用されます。手術などの治療をせず、CT検査、MRI検査、超音波検査の画像検査を定期的に行いながら、がんや体の状態などの経過を観察します。

局所療法

 ①動脈塞栓術:腎臓に血液を送っている腎動脈を人工的に閉塞させることで、がんに血液が流れ込まないようにする方法です。がんの摘出ができない場合や、大きながんを摘出する場合に、手術に先立って行われることもあります。

 ②経皮的凍結療法、ラジオ波焼灼術(RFA)があります。体の外から特殊な針をがんに直接刺し、凍らせたり、熱で焼いたりしてがん細胞を死滅させる方法です。高齢者や重篤な合併症を持つ場合、手術を希望しない場合に選択されることがあります。

化学療法

腎細胞がんの薬物療法には分子標的治療があります。

腎臓にあるがんやそこから転移したがんを手術で取り除く前に、がんの大きさを小さくする目的で行われることもあります。

参考*
https://ganjoho.jp/public/cancer/renal_cell/treatment.html

 

転移と再発について

【転移】
腎細胞がんが特に転移しやすいのは肺で、その他では骨、脳などがあります。それぞれの部位に症状が現れます。転移に対する治療では、がんのステージや形態、体の状態に応じ、化学療法や放射線治療が選択されることもあれば、転移したがんを取り除くために手術する場合もあります。

【再発】
腎臓のがんを全摘出したとしても、20〜30%の患者さんで再発すると言われています。しかし、どのような状態の患者が再発するかなどはまだ特定ができていないため、一度かかった患者は再発に注意しなければなりません。
再発に対する治療は化学療法が中心になっています。

 

腎細胞がん早期発見のために

上記で紹介したステージ別の生存率にもあるように、ステージⅠでは5年生存率が95%ですが、ステージⅣになると生存率が10%にまで落ち込んでしまい、治療も厳しくなってきます。症状はなくても定期的な人間ドックや健康診断での尿検査や腹部の超音波検査を受けましょう。血尿は腎細胞がんのサインの可能性が高いため、健診で血尿を指摘された場合は必ず泌尿器科を受診して精密検査を受けましょう。

主要な治療法をサポートするその他の療法

手術のように根本的に腫瘍を取り除くものではないため手術に取って代わる療法ではありませんが、副次的にサポートし治療の効果を上げ、治療中の生活の質(QOL)を向上させる療法を紹介します。

 

免疫療法

免疫療法は悪性腫瘍の根本原因とも考えられる免疫低下に訴求する治療法です。まだ3大療法や上記のその他の療法に加えられるほど一般的にはなっていませんが、一部の免疫療法は保険の適用もされ始めているほど効果が明らかになっています。免疫療法は人間の体に本来備わっている病気を防ぐ力を最大限に引き出していく治療法のため副作用が起こりにくいことも大きな利点です。
また、上記で紹介した療法のいずれかを選択した時に、免疫療法はその治療法の効果をますます向上させていく事も期待できます。例えば、術後であれば一時的に失われた体力の回復が早まる、化学療法の場合は副作用を軽減する、などがあります。免疫療法は自分の細胞を使って行う療法のためほとんど副作用がないのも利点です。がんが発症すると、細胞は増殖をし続け正常な細胞をどんどん壊していきます。再発率が20~30%の腎細胞がんに対して再発予防のために手術後に化学療法を用いることは効果がはっきりしておらず、重篤な副作用があるため推奨されていません。
転移や再発を未然に防ぐためにも、また療養中のQOL(生活の質)の向上においても副作用のほとんどない免疫療法は役立つ存在となっています。

緩和ケア

「緩和ケア」という言葉を聞いたとき、多くの人は「がんの終末期」や「看取りの医療」を連想するようです。これまで緩和ケアは治療が有効ではなくなった人を中心に提供されてきたため、がんの治療を受けたことのない一般の方はこのようなイメージがあるでしょう。緩和ケアは終末期ではなく「痛み」を感じた時からいつでも始めることができます。
緩和ケアを施行するかどうかは、患者の状態が「終末期だから」、「がん治療中だから」という状態によって決まるのではなく、患者に「苦痛」があるかどうかという点が重要です。がんの治療の過程では様々な困難が患者を襲います。例えば化学療法で抗がん剤を使用しなければならない場合、耐え難い副作用が襲ってくると言われています。「がんを治すためにその辛さに耐えなければいけない」と我慢するだけでなく痛みを訴えることが重要です。抗がん剤に耐えられなければ他に選択肢がないのではなく、最近では抗がん剤に対する痛み止めなども増え、服用できるようになっています。
医師や専門家に痛みを伝えることで、より前向きな治療選択肢が提示される可能性もあるということを知っておいてほしいと思います。

食事療法

腎細胞がんになる要因の一つに生活習慣があります。飲酒、肥満、高血圧です。そのため、食事も免疫療法の一つであると意識して栄養をバランスよく取り入れて、積極的に高エネルギー食品の摂取をして体力をつけていきましょう。抗がん剤療法をする患者はがんと闘っていくので、体重を増やしていくくらいの意識でよいでしょう。
放射線療法や抗がん剤療法を受けると白血球が下がりますが、免疫療法ではこれを再び上げることが可能な事例もあると言われています。その他でがんになりにくくさせる方法、進行させない方法としては直射日光を避け、ストレスをためず、ビタミンなどの抗酸化作用のある栄養素を摂ることです。

 

さいごに

腎細胞がんは近年健康診断の精密検査で早期での発見が可能になりました。初期症状が分かり辛くても健康診断を欠かさずに受けていれば早期発見の確率は高まるとも言えますが、健康診断だけに頼らず40歳以降何か体に異変を感じたらすぐに検診を受けるのが良いでしょう。

医療ライター。
医薬系会社にて医療事務に従事する傍らで、美容系サイトにて痩身美容(脂肪吸引など)ついて執筆するフリーライター。
主に得意分野は、がんや免疫療法、経営者インタビュー記事作成など。

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