直腸がんの末期にできること

 

今回ご紹介する「直腸がん」は、大腸がんの中でも発症するケースが多いがんと言われており、全体の約7割を占めています。

大腸がんでも説明されるように、自覚症状が分かる頃にはがんは進行しており治療が困難となることがあります。

どんな状態を末期というのか、調べていきましょう。

 

目次

直腸がんとは

社会福祉法人恩賜財団済生会:https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/rectal_cancer/

 

直腸について

大腸がんと紹介されるケースが多く、直腸がんという言葉にあまり馴染みがないかと思いますが、大腸の部位で便を貯める部分をいいます。

大腸は、約2mの長さのある臓器で、大きく分けて「盲腸・結腸・直腸」に分類されます。直腸の大きさは15〜20cmで肛門のすぐそばにあります。同じ大腸の中でも結腸より太く、ここで便を貯めていきます。

 

直腸がんの症状

直腸がんの症状で困難なことは、排便障害となることです。

まず、直腸がんを疑う症状として便が細くなることがあります。これは、直腸をがんが狭くしていることが考えられるからです。また排便してもすっきりせず残っている感じがするのは、がんを便だと勘違いする脳が排便させようとするからです。

便秘や血便なども症状として現れますが、排便時に違和感があります。

 

直腸がんの治療

直腸がんの代表的な治療は、がんを切除する手術です。

早期の場合は、開腹せずに切除することが可能ですが、がんが進行している場合は、開腹します。

また、直腸がんの手術で問題となるのが、排便機能についてです。がんを切除することで自力での排便が不可能となるケースが多く、人工肛門を造設することがあります。

 

末期がんとは

直腸がんだけでなく、末期がんと聞けば余命宣告され、命に限りがあることを感じさせられます。一人の人間の意識を変えさせてしまうほど重い言葉ですが、実は、医学の専門書には末期がんという括りはありません。では、どんな状態を「末期がん」として患者様に説明しているのでしょうか?

 

末期がんとする状態について

がんが進行しても、患者様が日常生活を変わりなく過ごしていれば、末期がんとは言いません。

つまり、末期がんされる状態は、下記のような患者様をいいます。

・日常生活が困難なほど健康状態がよくない

・がんが進行して身体が衰弱している

 

末期がんの治療について

がんの治療は、体に負担が大きい治療をする必要があります。そのため、患者様本人の体力や健康状態から治療できるかを決めています。上記のような状態では治療は難しいとされます。

 

しかし、患者様が、日常生活を過ごせるほどに体力があれば治療をすることができます。がんが進行している状態であっても同じです。例えば、がんがステージ4までに進んでいても、治療ができれば、末期がんとは言われないのは、こうした背景があるからです。

 

また、治療は完治だけが目的ではありません。がんを受け入れ痛みを緩和する方法があります。「緩和治療=治療を諦める」と思われがちですが、決してそうではありません。がん治療は、心身ともに治療が辛くなる時があります。すでに体力がない状態であれば、さらに過酷となります。

予後をどう過ごすのか?患者様自身の希望は?患者様の体力・がんの進行などを考慮して治療方法を選択してください。

 

直腸がんの末期について

直腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどなく発見が遅れるケースがあります。症状や合併症、治療について考えてみましょう。

 

直腸がんの末期症状について

直腸がんの症状には、便秘や下痢といった自覚症状がありますが、この症状ががんであるとは限りません。日常的にこうした状態の人もいるため、重く受け止められず発見が遅れることもあります。

がんが進行して末期と言われる状態になればさらに自覚症状も増えていきます。

 

・倦怠感

・吐き気・嘔吐

・体重減少

 

また、直腸がんの末期といわれる状況のがん細胞は、すでに直腸から転移が考えられます。多くの場合が腹膜播種の転移がみられ、別の臓器への転移・腹水・腹痛などの症状が現れます。

その他にも、腸管を破れば出血して貧血となります。

 

直腸がん末期の治療について

現在の治療では、がんを根治させる治療はないため、可能な限り手術でがん細胞を切除することが最良だとされています。

 

直腸がんでも同様で、特に腸管を切除すれば人工肛門を造設するケースもあります。

しかし、末期となるとがんがすでに切除するだけでは追いつかないこともあるため、手術をしない場合もあります。

 

 積極的な治療をしない

残念ながら、がんを完治させる、絶対に治るという治療法は確立されていません。手術やその他の治療法を併用しながら、体内のがん細胞の様子を見ていきます。

がん治療は、長期的になったり、副作用が辛いことがあります。体力がない状態で手術や放射線治療、化学療法というがんの三大標準治療を行えば、返って患者様の負担となりなりかねません。

 

積極的な治療が必ずしも正解ではないことを理解しましょう。

 

痛みと向き合う治療

非営利型 一般社団法人あきらめないがん治療ネットワーク:

http://www.akiramenai-gan.com/medical_support/mental/10246/

 

積極的な治療ができなくても、治療をしないという訳ではありません。

日々、体調は悪くなり、がんの痛みは続きます。こうした痛みを緩和する治療として、「緩和ケア」があります。

 

この治療で大事なのは、治療をしない・痛みがある現状を受け入れることです。

少しでも治そうという気持ちがあれば、かえって辛いものです。

痛みと向き合い、制限はあったとしてもどんな生活をしたいか?どうありたいかを考えることから始まります。

 

直腸がんの末期である患者様が何を望んでいるのか?医師や家族のサポートなしにはできません。環境を整える必要もあります。

一緒に考え、実現していくことが緩和ケアの目標です。

 

免疫治療について

免疫療法は、第4の治療法として注目されるようになりましたが、まだ医療機関では積極的に取り入れておらず、患者様までに十分な情報が届かないことがあります。

 

まず、治療として確かな成果がありながら取り入れられない理由としては、保険適用外であることです。現在の日本では自由診療であり、一回の治療代が高額です。そして治療は継続が必要となるため、費用の面から考えて諦める患者様もいます。

 

次に考えられるのは、どこの医療機関で免疫療法を実施しているのかが分からないということです。ネットで検索をすれば実施している医療機関は見つかりますが、どの免疫療法が適しているのか?患者様や家族には分かりません。

 

情報がない、分からないことで適切な免疫療法を受けることができないのは、もったいないことです。

 

説明会に参加する

こうした状況を踏まえて、免疫療法を実施している医療機関では免疫療法についての説明会を行っています。また、 講演会を全国で開催している医療機関もあり、遠方まで外出ができない患者様にも、自宅近くで聞いてもらうことができます。

 

正しい情報を聞いて、理解することも治療の一つです。自分の体やがんに必要なものかを判断してください。

 

また、こうした説明会に参加することで、同じ立場の人たちと話して情報を共有することができます。話せる相手ができることで気持ちも和らぎます。

 

免疫療法は特別な感じに思われがちですが、説明会に参加して身近なものとして考えてみてください。

 

まとめ

直腸がんを含む大腸がんは、生存率が高いとされていますが、やはり末期の状態では、生存率も低くなります。

患者様自身は何を考え、思うのでしょうか?人間なら誰にでも寿命があると知っていても、余命宣告をされ限りあることを知らされるのは非常に過酷です。

 

限りある人生をどう生きるのかはそれぞれですが、普通の生活を望む患者様が多いようです。QOL=生活の質が大きく取り上げられますが、これまでの治療メインの生活から、日常生活に戻していくこともサポートしてもらいながら叶えられたら幸せなことではないでしょうか。

人生に目標があることで生活は豊かになります。

 

 

出典

社会福祉法人恩賜財団済生会:https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/rectal_cancer/

 

非営利型 一般社団法人あきらめないがん治療ネットワーク:

http://www.akiramenai-gan.com/medical_support/mental/10246/

 

 

 

文:長谷川祐子(医療ライター)

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