すい臓がんにステージは関係ない?

すい臓がんは非常に予後の悪いがんとして知られております。

すい臓が身体の奥に位置していて、多くの臓器に囲まれている為、レントゲン検査などの画像診断で見つかりにくい事が特長です。

また初期症状として特徴的なものが無い事で、発見が遅れ進行してから見つかるケースが多いためと、周辺臓器への転移が起こりやすい事で症状が悪化する事があるのです。

 

そのように非常に治療が困難ながんですが、治療法の進化により、生存率は上がってきています。

 

 

すい臓がんの統計

 

すい臓がんの5年生存率は9.2%と言われ、全がん患者の統計を見ても、一番生存率が低いがんになっています。

部位別死亡率で見ると、すい臓がんの罹患数は悪性腫瘍全体の第7位で、患者数にすると少ないのですが、肺がん・胃がん・大腸がん・肝がんに次いで死亡率は高くなっている事がわかります。

 

 

がん治療「新時代」web http://gan-mag.com/parts/7000.html

 

すい臓がんの5年生存率は、下記の表のとおりです。

Ⅰ期でも41.2%と非常に厳しいものとなっています。しかし、腫瘍が1センチ以下で見つかれば5年生存率が80%となり、早期に発見できれば治る可能性が高まることは確かです

 

がん治療「新時代」web http://gan-mag.com/parts/7000.html

 

 

すい臓について

 

すい臓は腹腔内の深部に位置しており、胃の後ろにあり、背中の骨に接しています。

肝臓、十二指腸、胆のう、小腸、大腸などに囲まれています。

さらにすい臓の近くには、各臓器に血液を送る大きな動脈血管があるため、すい臓がんに罹患すると、周辺臓器に浸潤しやすく、また手術が困難な部位が多い為、治療がたいへん難しくなります。

 

中野胃腸クリニック http://nakano-ichou.com/cms/?page_id=13

 

すい臓がんに罹患しても胃のあたりや背中が重たい、食欲が無い、体重が減った、お腹の調子が良く無い、などの他の病気と似た症状が多く、特徴的な初期症状が無いため、気が付かない事が多いのです。

 

また適切な診断方法がないため、約80%が進行がんで診断されます。

そして外科的切除ができても7 割が再発するという特徴があります。

 

 

すい臓がんのステージ

 

すい臓がんのステージは、日本膵臓学会のすい臓がん取扱い規約により、下記の表のように定められています。

がんのきほんhttps://www.gan-info.com/308.6.html

 

 

すい臓がんの治療

 

すい臓がんの治療は、ステージ分類により、下記の様な治療の流れになっています。

手術療法・放射線療法・薬物療法が標準的な治療法になります。

国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/pancreas/treatment.html

 

手術療法

病巣の位置により、手術の内容は変わってきます。

すい臓がんの中で最も多いすい頭部がんの場合、「すい頭十二指腸切除術」または「全胃温存すい頭十二指腸切除術」が行われます。

すい体部やすい尾部の場合は再建が必要な臓器はありませんが、すい尾部は脾臓とつながっているため、脾臓を摘出する必要があります。

 

すい臓がんの場合、周辺臓器まで取り除くような拡大手術は必要ではありません。

がんの根治治療は手術で病巣部分を取り除くことですが、すい臓がんの場合は、転移しやすいため拡大手術は、合併症を起こすなど患者様のQOL(Quality Of Life:生活の質)の低下を招き、あまり効果的ではない事がわかってきました。

取りきれなかったがん細胞については、放射線治療や抗がん剤治療を行います。

 

すい臓がんが増殖し、腸を圧迫して食べ物の流れを狭める時は、ステントという人口の管を内側に設置するステント療法を行うことがあります。

また、がんによって十二指腸が塞がった時は、胃と小腸をつなぐバイパス手術を行い、腸の通りを確保することがあります。

また、胆管が塞がって黄疸の症状が出ている時は、胆管と小腸をつなぐバイパス手術を行うことがあります。

 

すい臓がん自体の手術ができない場合でも、このようなQOLの確保を行うような手術を実施することがあります。

 

薬物(抗がん剤)療法

手術不可能な場合や、手術後の再発や転移の防止の為に抗がん剤療法を行います。

抗がん剤でのがんの根治は難しいですが、がんの進行を遅くしたり、大きくなったがん細胞を小さくしたりする効果があります。

2001 年にゲムシタビンがすい臓がん治療へ適応拡大されたことにより治療成績が向上し、短期的な予後が改善されています。

 

 

放射線治療

すい臓がんは、手術が出来ない事が多く、場合によっては放射線治療がメインの治療法になる場合もあります。

遠隔転移が無い場合でも、すい臓周辺の主要な血管にがん組織が巻き付き、手術にて切除できないすい臓がん(局所進行切除不能すいがん)には、がん細胞の増殖を抑える目的として放射線治療が行われる事もあります。

 

また放射線治療には、がんの痛みを軽減させる効果もあります。

がん細胞が増殖する事により近くの神経を圧迫して痛みが出る事があります。そのような場合に放射線治療を行うことによってがん細胞の増殖を抑え、神経に対する刺激を少なくする事が期待できます。

 

現在行われている放射線治療は「3D-CRT(三次元原体照射)」や「IMRT(強度変調放射線療法)」が主流となっています。

これはCT検査による三次元画像でがん組織を正確に捉え、多方向から放射線を照射する方法で、以前の放射線治療に比べると格段に治療効果が上がっています。

 

 

 

免疫療法

がんの三大療法である、手術・放射線・抗がん剤に続き第四の治療法として注目されているのが、免疫療法です。

免疫療法は抗がん剤治療と同様に全身療法のひとつで、手術できないがん細胞や、または手術で取りきれなかったがん細胞に効果が期待できる治療法です。

人間が自然に持っている免疫機構を利用して、がんと闘う方法になります。

 

免疫療法には、免疫賦活剤といって、既に持っている免疫細胞の活性化を促す薬剤を投与する方法と、免疫抑制阻害剤という、がん細胞が免疫機構にブレーキをかける物質を抑える薬剤を利用するものがあります。

がんの発生には免疫機能の異常が深く関わっている事が解明されて来ており、今後更にこの分野の治療法が開発されてくるでしょう。

特徴としては、全身療法である事で、進行したがんや、再発防止としての効果が期待されているところと、正常な細胞まで攻撃してしまう抗がん剤とは違い、副作用が比較的少ない事です。

また、他の治療と併用する事で治療効果を上げる事もあります。

特に抗がん剤の副作用である骨髄抑制は、全身状態に影響するような感染症にかかる恐れもあり、危機管理が必要なものですが、免疫力を保ちながら治療を続けることが可能になる為、非常に効果的です。

 

 

まとめ

すい臓がんは、非常に予後が悪いがんとして知られていますが、治療法が無い訳ではありません。

 

がんの治療法は日々進化しており、現在研究中の治療法の中に有効なものが見つかれば、今後標準治療法として認可される事もあるでしょう。

また、なかなか発見しにくい背景には、すい臓がんの早期発見ができるような健診項目が無いことも挙げられます。

そのような健診項目が開発されたら、検診で活用することで早期発見の手助けになるでしょう。

 

がんを完治させるには、早期発見が必須だと言われています。

今後、すい臓がんの早期発見ができるような検査法や、がんを予防できるような方法の発見が望まれます。

 

 

 

国立がん研究センター がん情報サービス

https://ganjoho.jp/public/index.html 

がんのきほん

https://www.gan-info.com/308.6.html

がん治療「新時代」web

http://gan-mag.com/parts/7000.html

抗がん剤の副作用対策ガイド

http://www.adr-kouganzai.com/therapy/pancreatic_cancer.html

すい臓がんの基礎知識

http://suizougan.rdy.jp/5-14.html#5

 

医療ライター・臨床検査技師。
医療の現場での経験を生かして、がん患者を抱える家族として、
がんに関する記事を寄稿しております。

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