“末期がん・部位別生存率”から考える完治率と進行を防ぐ3つの知識

 

 

がんのステージ

 がんのステージは最大0~Ⅳの5段階に分けられます。

ちなみに部位によっては、ステージⅠ~ステージⅣまでの4段階に分けられるケースもあります。

 

ステージ0

粘膜の内部にがん細胞が潜んでいる

 

ステージⅠ

粘膜の壁付近までがん細胞が広がっている

 

ステージⅡ

粘膜の外壁をはみ出してがん細胞が広がっている

 

ステージⅢ

がん細胞がリンパ節へ転移している

 

ステージⅣ(末期がん)

離れた臓器へのがん細胞の転移している

 

がんのステージを決める3つの基準 をもとにステージⅣにおける部位別生存率はどう変化していくのか検証してみましょう。

 

1.がんのサイズ

2.リンパ節転移の有無

3.他の臓器への転移の有無

 

 

末期がん部位別生存率

部位別生存率

全症例

手術症例

食道

86.3%

56.1%

29.3%

12.4%

43.3%

55.3%

97.4%

65.0%

47.1%

7.2%

74.5%

78.1%

結腸

98.5%

91.6%

85.1%

18.8%

74.8%

79.7%

直腸

96.5%

88.0%

83.2%

22.4%

77.6%

80.6%

大腸

97.6%

90.0%

84.2%

20.2%

76.0%

80.1%

59.6%

35.6%

14.0%

1.9%

35.3%

59.6%

胆のう胆道

57.3%

24.4%

11.3%

1.8%

26.4%

44.3%

膵臓

41.9%

18.3%

5.9%

1.2%

9.3%

25.2%

喉頭

96.4%

81.0%

71.9%

47.2%

75.8%

70.5%

気管・肺

(腺がん)

88.1%

49.0%

24.2%

6.1%

53.2%

83.7%

気管・肺

(扁平上皮がん)

69.5%

50.5%

19.4%

2.8%

37.7%

69.0%

気管・肺

(小細胞)

58.1%

42.1%

18.4%

2.3%

18.1%

56.8%

81.8%

48.4%

21.2%

4.5%

42.7%

78.1%

乳(女性)

100.0%

96.0%

80.8%

37.1%

93.5%

96.4%

乳(男性)

100.0%

100.0%

78.8%

94.0%

100.0%

子宮頸

92.3%

77.6%

62.8%

26.6%

74.8%

87.6%

子宮体

95.9%

87.3%

70.8%

17.5%

85.6%

89.4%

卵巣

89.0%

69.6%

45.0%

25.3%

62.2%

67.9%

前立腺

100.0%

100.0%

100.0%

63.7%

100.0%

100.0%

腎臓など

97.4%

82.4%

73.2%

16.9%

71.5%

84.3%

膀胱

86.5%

72.7%

55.4%

17.0%

71.3%

75.7%

甲状腺

100.0%

98.6%

99.0%

73.2%

92.1%

96.0%

 

全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2007-2009年診断症例)より

資料提供元:全がん協生存率調査 【全国がんセンター協議会】

http://www.zengankyo.ncc.go.jp/etc/seizonritsu/seizonritsu2009.html

 

 

末期がんは症状別にステージ分けした中で、最もがんが深刻化した状態です。

 

「末期」の言葉の影響で多くの人が末期がん=死を連想しますが、これは誤解です。

医学的にがんのステージが一番高いことを意味する言葉であるため、がん患者様の寿命を表した言葉ではないということを念頭においてください。

 

確かに部位別に末期がんの生存率を見ると、部位によって2%を切ってしまうがんもあります。

しかし一方で末期がんであっても70%以上の生存率が見込めるがんも存在します。

 

例えば、胃がんは、7.2%、肝臓がんは1.9%、膵臓がんは1.2%、肺がんは約2%と、がんが進行するごとに一気に生存率が下がります.

 

一方で前立腺がん、甲状腺がんは、ステージが進んでも大幅に生存率が下がることはありません。

 

部位別ごとに生存率を見ても差があることが分かるでしょう。

 

ちなみに多くの人が生存率=完治してがんを克服した割合だと誤解しています。

実はこの生存率には、完治してがんを克服した割合だけでなく、転移や再発のため治療を続けている人の割合も一緒にデータ化された数値なのです。

 

これらを踏まえた上でがんのステージの進行を防ぐ対策があります。

 

それは、初期段階で気づくことです。

 

末期化させないために知っておくべき“部位別・初期症状”

 

がんは日本人の2人に1人が患う病気です。

 

・過去にがんを克服してから再発をしてしまった人

・がんの再発を繰り返している人

・がん未発症の人

 

全ての人が将来がんになるリスクを抱えているといっても過言ではありません。

たとえステージが低くて安心していても突然「あなたは末期がんです」と医者に宣告を受けてしまうかもしれません。

 

しかしステージⅣに繰り上がる前に何らかの体調の変化を見極めることができればステージⅣになるリスクを未然に防ぐことができる可能性があります。

 

そこで末期化させないために知っておくべき初期から末期までの症状の変化を部位別に紹介します。

知ることで将来の生存率を伸ばす力になるかもしれません。

 

ちなみにがんのステージを決める3つの要素(がんのサイズ・リンパ節転移の有無・他の臓器への転移の有無)で、末期がんか見極められますが、末期がんの定義は医療現場によっても異なる場合があります。

 

・手術、放射線治療、化学療法全ての治療ができない

・手術ができない

・放射線治療、手術ができない

・寿命が1ヶ月をきる

・寿命が2~3ヶ月をきる

 

末期がんの定義は必ずしも一つではないことを知っておきましょう。

セカンドオピニオン等で病院を複数受診した時、知っておくことで冷静に対処できます。

 

 

食道がんの場合

 

食道がんははっきりとした症状が出にくいがんです。

 

初期症状の予兆

・食べ物を飲み込むときに喉奥に違和感を感じる

・チクチクとした胸の痛みを感じる

・刺激のある食べ物(辛い・酸っぱい・熱い)を飲み込むときに喉元がしみる

 

これらの症状は常に出るわけでもなく時には症状がおさまることもあります。歳をとると老化の影響で飲み込みづらくなり、ほとんどの人が大したことないだろうと自己完結してしまいがちです。

 

末期がん(ステージⅣ)に近づくとみられる予兆

・食べ物を飲み込むときに喉奥に感じる違和感が大きくなる

・喉に食べ物、水分を入れると痛みが増す

・咳と血痰がでる

・背中に痛みを感じる

・体重が減少する

 

 

胃がんの場合

 

胃がんの予兆を見極めるポイントは以下の症状が長期的にあることです。

 

初期症状の予兆

・胸やけや胃もたれ

・だるさ、めまい、ふらつき

・吐き気、げっぷ

・食欲不振になる

 

 

末期がん(ステージⅣ)に近づくとみられる予兆

・排尿機能に障害がでる

・吐血と下血がでて貧血になりやすくなり、時にはめまいが起こる

 

大腸がんの場合

大腸がんは初期の段階では症状が出にくいため発見が遅れやすいがんです。

また、がんのできる場所によって出てくる症状が異なるため一概に大腸がんの症状が出るというわけではありません。

そのためがんができた場所によっては悪化してからではないと自覚しづらい言われています。

 

初期症状の予兆 (行結腸がん・盲腸がん)大腸の右側

・お腹の張り

※自覚症状を感じにくく検査で発覚することが多い

 

初期症状の予兆(下行結腸がん・S状結腸がん・直腸がん)大腸の左側)

・下血、血便

・下痢と便秘が続く

・便の形状が細くなる

 

末期がん(ステージⅣ)に近づくとみられる予兆

・腹痛が酷くなる

・重度の貧血

 

肝臓がんの場合

肝臓がんは初期の段階では症状が出にくいため発見が遅れやすいがんです。

別名を「沈黙の臓器」とも呼ばれ、がんが進行することで自覚症状が初めて出ることが多いようです。ステージⅣ(末期がん)になると急に強い症状があらわれます。

 

初期症状の予兆

・腰痛、背中の痛み

・体重の減少

・貧血

※初期症状の予兆としていくつかあげていますが、すでに進行している可能性があります。

 

末期がん(ステージⅣ)に近づくとみられる予兆

・黄疸

・腹部に水がたまる

・大量に血を吐く

 

肺がんの場合

初期症状には風邪と思い違ってしまう症状も多いため、発見が遅れやすいがんです。

また肺がんは、肺から離れた臓器に転移しやすく、骨や脳、肝臓などへの転移が多いと言われています。

 

初期症状の予兆

・咳

・胸の痛み

・発熱

・息切れ

 

末期がん(ステージⅣ)に近づくとみられる予兆

・体重の急激な減少

・重度のむくみ

・強い倦怠感

 

 

乳がんの場合

乳がんの場合、他のがんと比べて所見で確認することができます。

そのため違和感のあるしこりが出たらすぐに受診をすることで末期がんを未然に防止することができます。

 

また乳がんは、骨や肺、肝臓などへの臓器に転移がしやすいがんだと言われています。

 

初期症状の予兆

・胸や脇下のしこりがある

・痛み

・乳頭から出血、分泌液が出る

・胸の一部がへこむ

・胸の形が変形したり、左右の大きさに違いがある

 

末期がん(ステージⅣ)に近づくとみられる予兆

・発熱

・強い倦怠感、疲労感が続く

・強い痛み

 

 

抗がん剤を使用しない3つの末期がん治療

 

部位別に初期症状から末期がんになるまでの症状を見てきました。

結論を言うと、初期段階で自覚症状が現れやすいがんとステージが進まなければ自覚しにくいがんも存在することが分かりました。

 

自覚症状が出やすいがんであれば違和感を感じた時点で受診を心がけましょう。

たとえ初期症状が現れにくいがんを発病していたとしても、定期的に検診を受けることでがんを発見し、早期治療することも可能です。

 

またがんを宣告されると多くの方が「手術」を連想されますが、がんの治療法は、手術だけではありません。

 

手術にはリスクもあります。

 

・手術は100%絶対成功するわけではない

・手術が成功したとしても後遺症が残るリスクもある

・臓器を切除することで機能不全を起こす

・手術への不安が免疫力を低下させる

・手術によってがんが他の臓器へ転移することもある

 

このように場合によっては、逆に、深刻化することも考えられます。

 

もちろん手術も有効ながん治療の方法ですが、生存率を伸ばす手術以外の3つの方法をご紹介します。

 

1.免疫療法

体内の免疫力を強化させることでがん細胞に打ち勝つ体内環境を作る治療法です。

 

自然免疫 

患者自身が持っている免疫細胞を利用する。

副作用が少なく、身体への負担が少ないと言われています。

例をあげると食事療法が取り上げられます。

自然免疫の力を高める食事療法として注目されているのが、霊芝(レイシ)と呼ばれるキノコや食用サプリメント等です。

 

獲得免疫

注射器などを使用し、外からがん細胞に打ち勝つ免疫細胞を注入する方法です。

まれに微熱などを起こしますが、ほとんど副作用は見られません。

 

例をあげると丸山ワクチンハスミワクチンがあげられます。

費用としては平均的に月に3~5万円程度かかります。

 

また近年、がん細胞に攻撃する能力が高いNK(ナチュラルキラー)と呼ばれる免疫細胞が注目されています。

NKを使用した免疫療法の場合、注射器の1本の価格が高額で年間で長期的に打ち続けると約700万円前後はすると言われています。

 

この他に、手術適応外の再発がん、末期がんなどに適応できる免疫療法もあります

それが樹状細胞を活用したHITV療法です。

樹状細胞とは、体内に侵入したがん細胞を異物と判断し、排除する働きを持ちます。HITV療法は樹状細胞を活用することで、全身に広がった細かいがん細胞まで排除することが可能だと言われている療法なのです。

 

このように一言で免疫療法と言ってもさまざまな種類があります。

効果を得るためには、無理なく定期的に治療を受け続けることが大切ですので、副作用による身体への負担や価格帯を考慮して自分に合った治療法を探してみてください。

 

2.放射線療法

がん細胞に放射線をあてることで、がん細胞を壊す治療法です。再発を防ぎ、がんによって引き起こされていた症状を和らげる効果があります。

また、放射線治療の種類によっては、手術と同じく破片が飛んで転移する被曝のリスクはあります

しかし外来での治療も近年では可能になり日常生活を通常通り過ごしながら治療を続けることが可能です。

 

3.化学療法

抗がん剤を用いることで、がん細胞を壊し増殖を防ぎます。

がん細胞が全身転移してしまった時に有効な手段です。手術の前後にこの療法を用いることも多いです。

しかし副作用が人によっては強く出るため、身体への負担があるリスクもあります。

 

一方で同じがん大国であるアメリカでは、なんと「抗がん剤=増がん剤」と促す研究報告が発表されています。

 

一例によると実は、抗がん剤を3種類使用することでがん細胞を小さくできても、寿命が約8倍縮まることが研究で分かったことから言われているのだと考えられます。

 

人によっては、劇的に効果が現れる治療法です。

ただし抗がん剤の多くは「毒薬・劇薬」に属します。症状として現れる副作用は、これらに属しているからこそだとも言えます。

 

末期がんの生存率は他のステージと比べると確かに低いです。

けれども、末期がんは、完治しないという認識は誤解です。

自分にあった治療法を見つけることで、ステージⅣから生還した人や日常生活に戻って生活している人もいます。

 

ちなみに同じがん大国のアメリカでは、年々がんの患者数が減っているそうです。

それは日本のようにがんの三大治療法(手術・放射線療法・化学療法)にとらわれず、免疫療法などさまざまな治療法を積極的に使うからだと言われています。

 

日本ではなかなか国の認可がおりないため、三大治療法にとらわれがちな傾向があります。

つまり日本とアメリカでは医療方針が違うということです。

 

“三大治療法以外の治療法についても目を向ける”治療法について情報を広げることで、あなたに合った治療法を見つける手助けになるかもしれません。

当然値段や副作用について考慮しなければいけませんので、かかりつけのお医者さんに相談して決めましょう。

 

また末期がんの一般的な治療法としては、選択を患者さんの意思を優先して決定することが多いです。

 

ステージが最も高い末期がんの場合、痛みを伴うことも多いです。

末期がんと告げられると、奈落の底に落とされたような絶望感を人は感じやすいです。

そのような精神状態が長く続くと、免疫力が低下しがん治療にも悪影響が出ます。

 

末期がんだから、節制のために何でも我慢しなくてはならないわけではありません。

元気な心を作って免疫力を高めるためには、やりたいことをして、食べたい物を食べることも大切なのです。そのためにも、痛みを減らす治療法や免疫力を高める体内環境作りを心がけましょう。

 

当然末期がんになる前にがん細胞を壊すことが理想の治療法であることは間違いありません。

ステージが上がる前にがんを克服するためには、普段の生活の中での身体の変化をがんの初期症状ではないかと疑うことも大切なことだと思います。

健康、医療の分野を中心に執筆活動を続ける医療ライター。

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