大腸がん 再発率

大腸がんが再発する確率はステージにより異なります。大腸がん研究会のデータによると、ステージ1では4%、ステージ2では13%、ステージ3では30%の割合で再発し、再発した患者さんの約8割は術後2年以内に再発があったということが分かりました。がんのステージの0~2期までは他のがんに比べ治癒率の良いがんとされています。しかし3期くらいから再発の傾向が強くなります。5年間経過観察し再発がなければ「完全に治った」状態と判断されます。(大腸がんは手術後5年以上経って再発する確率は1%以下のため。) ここでは大腸がん再発の治療法や再発の予防法についてお伝えします。

 

大腸がんとその症状

大腸がん

大腸は食べ物が消化吸収された残りの容物を貯め、水分を吸収して大便にする器官です。乳酸菌、大腸菌などの約100種類の腸内細菌が存在しており、食物繊維の分解や感染予防の働きなどをしています。直腸は便の貯留と排出に非常に重要な役割を担っています。

大腸は主に盲腸、結腸、直腸の3つに分けられます。

盲腸は特に大きな働きはしていませんが、結腸は水分やナトリウムを吸収したり、便を作ります。また、小腸で消化しきれなかった炭水化物やたんぱく質を分解、吸収し便を直腸に流します。大腸がんは粘膜に発生し、粘膜にできたポリープ(良性腫瘍)ががん化するパターンと、粘膜から直接がん化するパターンの2つあります。

大腸がんの危険リスクとして欧米化した日本の食生活が挙げられますが、最近では飲酒によるアセトアルデヒトの摂取が、DNAを作る葉酸を破壊し、がん化するリスクを高めるということが明らかになってきました。男性の大腸がん患者の4分の1が1日23g以上のアルコール摂取をしていたというデータもあります。

 

症状

大腸がんの症状には下記のような症状があります。

・血便(血液が混じった便)が出る

・下血(げけつ:肛門からの出血)が起きる

・便が細くなる

・下痢と便秘を繰り返す

・便が残っている感じがする

・貧血が起きる

・嘔吐する

 

大腸がんの再発とは

大腸がんの再発は、ほとんどの場合手術から5年以内に起こります。

初回の手術で目に見える範囲の大腸がんをすべて取り除き、化学療法を終えたあと時間が経過して、またがんが見つかることです。がんの再発には2種類あり、治療をした大腸に発生する局部再発と、大腸から遠く離れた臓器やリンパ節に転移が発見されることを指します。大腸がん研究プロジェクト研究1991-1996年症例のデータによると、大腸がんの再発が、がんを切除した部分に再発するのは全体の0.8%であり、その他の部位である肺や肝臓に転移という形で再発するケースは3~7%と肺や肝臓への割合が多いことが分かります。

 

なぜ再発が起こるのか

手術でがんを全部取り切ったと判断しても,肉眼的には把握できないがんが体内に残っていることがあるため再発が起こります。CTなどの現在の先端医療における医療機器では発見できないために、見逃されることがあります。発見が遅れて切除ができなくなる可能性もあるため、医師の指示による術後の定期健診は欠かさずに受けなければいけません。しかし、再発を早く見つけたから治るとは限らず再発が見つかった時点で多数の病巣が存在したり,切除できない場所に再発することもあります。

 

再発の起こりやすい場所

先述しましたが、大腸がんの再発には主に次の2パターンあります。

  1. 局所再発:がんが元々あった部位の近く(局所)に起こる再発のことです。結腸がんでは、手術でがんの周囲を広く切り取ることが比較的容易にできます。そのため局所再発はそれほど発生しません。ですが直腸がんでは、骨盤が直腸を取り囲むため手術でがんの周囲を広く切り取ることが難しい場合があり、局所にがん細胞が残って再発を引き起こすことがあります。
  2. 遠隔転移:大腸に発生したがんが、リンパ節や骨、脳、肝臓、肺などの大腸から離れた臓器に転移することを遠隔転移といいます。
    大腸がんの遠隔転移となる部位は、肝臓や肺です。なぜこの2つの部位に転移するのかというと、大腸と肺、肝臓は血管でつながっているからです。例えば肝臓に転移しやすいのはこのような原因からです。大腸を含む消化器で吸収された栄養分が門脈という血管を通り、一度全て肝臓に流れ込みます。肝臓が大腸から吸収された栄養分が血流に乗って一緒に流れてくると、肝臓にはがん細胞を受け止めるフィルターのような存在だからです。そのためがん細胞も大腸から肝臓へと運ばれ、滞留し、肝転移が起こります。

このような場合の転移は、肝臓から発生する肝がんや、肺から発生する肺がんとは違って大腸がんとして治療していくことになります。

 

再発の治療法

再発大腸がんの治療法には、手術療法、全身化学療法、動注化学療法、熱凝固療法、放射線療法などがあります。いずれも、治療目的は完治というより予後向上とQOLの改善です。再発臓器が1つの場合、切除が可能であれば積極的に外科的切除を選択します。2つ以上の臓器に再発が及んでいる場合も、切除を考慮することはありますが、現在のところ治療効果について統一的な見解は得られていません。切除が不可能な場合は、全身状態を考慮しながら、化学療法や対症療法を選ぶことになります。それでは転移している場合はどのように治療するのか、肝臓と肺を例に見ていきましょう。

 

肝転移の手術

肝臓に転移したがんの30~40%に手術が行われています。大腸がん肝転移の手術ができるかどうかは、どれだけ正常な肝臓に影響を及ぼさないように切除できるかが重要です。肝臓がんと肝疾患が併発していると、治療の面では影響が出るのでデメリットについて医師に確認するのも良いでしょう。手術が可能と判断された場合、肝臓を切除する手術が行われます。肝臓への転移が1つであっても複数あっても、手術が最前と判断されれば進めることは可能です。

 

手術ではがんを取り除くことができない場合、化学療法を勧められます。腫瘍が大きすぎて手術が出来ない場合に化学療法が用いられることもあります。一旦化学療法で腫瘍を小さくしてから手術をすれば体への負担が軽減されます。

 

肺転移の手術

手術治療(肺切除術)が一般的です。転移した部分がすべて切除でき,手術後の生活に必要な分の肺が残り,手術に耐えられる場合には,手術が行われます。肺切除後の5年生存率は30~50%とされています。 また、肝臓への転移の際と同様に、肺転移が手術で切除できない場合や,肺以外にも転移がある場合に全身化学療法が用いられます。転移の場合の主要な治療は化学療法ですが、全ての大腸がんの再発に効果があるわけではありません。一部ですが、ステージ3の結腸がんでは再発を予防し,生存率を高める効果があるとされています。

 

人工肛門

大腸がんの中に含まれる結腸がんにかかった場合、人工肛門を造設しなければいけないケースもあります。大腸がんが大腸のうち結腸に再発した場合についても同様のことが言えます。医療現場や患者の間で人口肛門は「ストーマ」と呼ばれています。ストーマを付けている人を「オストメイト」と呼びます。直腸には便を滞留させ。便意を我慢させたり、便を出したりする働きがあります。しかしストーマを付けると直腸のこの機能が失われ、便を出す働きのみが残ります。腸内で消化吸収されるなど関係なく便が排泄されます。このためストーマからの排泄物を受ける袋状の装具をお腹に貼り付けなければなりません。この器具をとりつけなければいけないのは高齢者にとっては非常なストレスとなります。永久的に人工肛門を付けることになった患者は、身体障害者福祉法に基づいて身体障害者手帳の交付を受ける資格があります。障害年金、ストーマ装具の給付、医療費の控除などの福祉サービスが受けられるようになっており、自治体にもよりますが月8千円程度の補助があります。

 

再発させないための予防

食生活大腸がんの手術を終えた後、基本的には食事制限はありませんが、栄養バランスの偏りなく、規則正しく食事をしなければなりません。腸閉塞を引き起こしやすい消化の悪い食品や食物繊維を含む食品、ガスが発生しやすい食品、刺激が強い食品なども術後3ヵ月は控えた方が良いでしょう。採るべき食事としては例えば、肉類であれば脂身の少ないささみ、卵、豆腐、乳製品も推奨されています。また、海藻、こんにゃくは水溶性の繊維で保水性があるため、大腸の粘膜を保護する働きもあります。調理法は油を使うのではなく、煮る、蒸す、焼く、細かくきざむが良いとされています。また、一度大腸がんを経験した方で飲酒が習慣になっていた方は、リスク要因となるお酒の量を改めて見直すべきでしょう。大腸がんがもし転移してしまったときに肝臓の機能が弱っていると治療に影響が出てくることも考えられます。

その他にがんになりにくくする方法、進行させない方法としては直射日光を避け、ストレスをためず、ビタミンなどの抗酸化作用のある栄養素を摂ることです。大腸がん経験者は特に便秘が癖にならないよう、老廃物である便を腸内に長く停滞させないように気をつけましょう。規則正しい排便習慣や適度な運動によって腸内の働きを健康にしておくことが転移予防につながる生活習慣の一つと言えます。

 

免疫療法

これは全てのがんに言えることかもしれませんが、体のどこかの部位にがんが見つかり手術で腫瘍を取り除いたとしても、潜在的ながん細胞は体に残っている可能性があります。そのがん細胞が、症状も示さずに水面下で再発や転移を起こしている可能性があるということを、一度がんを発症した患者は注意して生活しなければなりません。大腸がん患者本人の免疫力が強いと、がん細胞を免疫細胞が壊し、再発や転移を食い止めることもありますが、一度大腸がんにかかったら油断しないようにしましょう。一度がんを発症し、転移や再発を避けたいという強い希望を持っている患者には免疫療法で予防をする方もいるように、免疫療法は再発予防の1つとして注目されています。がんを発症して化学療法などを受けると免疫力を低下させDNAを破壊しますが、免疫療法は自己の免疫を活用して免疫力を高めていく療法で、副作用がほとんど見られないのが大きな特徴です。また大腸がんの再発の治療法のメインとなっている化学療法と併用することで副作用を軽減することができたというケースもあります。

 

緩和ケア

大腸がんの再発は精神的に苦痛を伴うものでしょう。転移が肝臓や肺にあるときはステージ4としてみなされるため、絶望的になってしまうかもしれません。化学療法の効果が期待できないほど末期の状態であったり、高齢などで体力が十分でなかったりする患者の場合でも悲嘆にくれることはありません。そのような場合無理に化学療法などを行なわず、緩和ケアを勧められることがあります。緩和ケアは何も手を打つ手段がない方が受けるケアではありません。患者が精神的、身体的に苦痛を感じた時からいつでも受けることができます。緩和ケアは身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛(生きる意味、治療を続ける意義など)の緩和を目的としており、緩和ケアの専門家が対応します。先述の通りがんは免疫力の低下で起こる病気です。精神的なストレスを取り除くことで免疫力と体力がアップすればより良いQOLが得られるのではないでしょうか。

 

さいごに

大腸がんは術後5年間再発がなければ初めて寛解(完全に治癒した状態)と言われます。もちろん術後は検診を欠かさずに受けて再発を避けてほしいですが、近年では医療技術の発達によりステージ重篤な状態であってもがんと共存するような方法も出てきています。再発、転移と告げられても絶望的にならずに自分の希望するQOLと照らし合わせ、負担のない治療を選択し、食事の見直しや明るく前向きに過ごせる方法を見つけていきましょう。

 

ライター 吉田あや

 

 

医療ライター。
医薬系会社にて医療事務に従事する傍らで、美容系サイトにて痩身美容(脂肪吸引など)ついて執筆するフリーライター。
主に得意分野は、がんや免疫療法、経営者インタビュー記事作成など。

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