前立腺がんとは

前立腺がんとは男性がかかるがんですが、どのような症状があるのでしょうか。

まだ原因は明らかになっていませんが、男性ホルモンのバランスが崩れることが一つの要因と言われています。

 

前立腺がんとは

前立腺とは膀胱の下にあり、尿道を取り囲んでいる男性だけが持つ臓器です。
前立腺がんは50歳代から急速に増えていき、発生の平均年齢が70歳といわれるくらい高齢の男性にみられるがんです。
前立腺がんは年をとるにつれ男性ホルモンのバランスが崩れ、前立腺の慢性的炎症、食生活や生活習慣などの要因が加わって発生すると言われています。
前立腺がんの多くは、尿道や膀胱から離れた場所に発生するため、初期には自覚症状がないことがほとんどです。骨の痛みを訴えることで診断を受け、一昔前は約7、8割の人が見つかったときにはすでにがん細胞が転移していることがありました。膀胱や尿道を圧迫して、何らかの自覚症状が出た段階でがんが発見された場合には、すでにかなり進行しているという状況でした。
近年ではPSA検査によりこのような割合は約5割にとどまっているようです。

 

自覚症状がほとんどない前立腺がん - 骨が痛む前にどのような特徴が発生するか

前立腺がんは進行するにつれ骨に転移することがあります。腰の痛みなどを訴え骨の検査を受けて発見されることが多いです。
その前にもし兆候としての特徴があるとしたらどのようなことがあるでしょう。
前立腺がんは前立腺肥大症という病気を同時に引き起こすことがあります。
この前立腺肥大症の症状に排尿障害があり、尿が出にくい、回数が多いなどが主な症状です。また、下腹部の違和感、不快感があります。
しかしこのような状況でまさかがんを疑う余地もなく、そのまま病院に行かず放置されているケースが多いのが前立腺がんです。
前立腺がんはラテントがんと言って生前はがんと分からず死亡後に見つかるケースが多いと言われているほどです。
しかし最近は症状がなくても人間ドッグなどで、腫瘍マーカーの血液検査を受けて、前立腺特異抗原(PSA)が高値であることが指摘され発見される機会も増えています。

 

原因

前立腺がんの直接的な原因はまだ明らかになっていませんが、前立腺がんのリスク要因として、前立腺がんを家族の誰かが患っていたか、高年齢などが挙げられています。(実際前立腺がんは50歳以上の方に発症する可能性が非常に高いです。) 他の病気にも言えることですが、肉類や高脂肪食など生活習慣の欧米化、肥満、食品(特にカルシウムの過剰摂取など)、喫煙なども調査されていますがまだ明確ではありません。

 

日本における前立腺がんの数字

2010年の独立行政法人 国立がん研究センター がん対策情報センターのデータでは、前立腺がんにかかる人数は、1年間で男性10万人中約100人です。年齢別にみると、40歳代が約2人、50歳代が約40人、60歳代が約210人(470人に1人)、70歳代で約490人(210人に1人)、80歳以上で約520人(190人に1人)となります。
前立腺がん患者は今後も増加が予想され、2020年以降は1位になると予測されています。
前立腺がんはもともと欧米に多く、日本は欧米の1/10~1/20の罹患率とされていましたが、年々日本でも増えるようになりました。
男性では胃がん、大腸がん、肺がんに次いで4番目に罹患率が高いがんです
PSAの検査技術の精度が上がってきていることも患者増加の一つの理由になっていると考えられるでしょう。

 

よく混同される前立腺肥大症

下記に前立腺がんとよく間違えられたりすることの多い、併発する前立腺肥大症の症状を挙げてみます。
① 加齢するにつれ増加する。
② 発生する場所が違う。前立腺がんは悪性腫瘍で前立腺の外に広がり転移が見られるが、前立腺肥大症は良性の腫瘍で転移がない。
③ 前立腺肥大症は排尿障害がおこります。頻尿、排尿困難、残尿感などが挙げられる。一方前立腺がんは、初期の段階ではほとんど自覚症状がみられずがんが大きくなると、前立腺肥大症と同じような症状が出てくる。

前立腺がんが進行して骨に転移すると、腰痛や歩行困難となりこの時点で初めて診断することが多いそうですが、前立腺がんは早期発見できれば完治する可能性の高いがんのため自覚症状があったら早目に泌尿器科を受診することが大事です。

 

治療法の選択

治療法の選択

治療法は、標準治療に基づいて、体の状態や年齢、患者の希望なども含め検討し、担当医とともに決めていきます。
患者の年齢や性別、生活環境、どれくらいQOLを保ちたいかなどが考慮されます。場合によっては、2つ以上の治療を組み合わせる(集学的治療)こともあります。

前立腺がんの主な治療法には下記のようなものがあります。

 

① 監視療法:監視療法とは、前立腺生検で発見されたがんの経過観察に適した療法です。治療を開始すべきかそうでないか、余命には影響があるかどうかを判定します。だいたい3~6ヶ月を診断の目安とします。病状が悪化しがんの兆候が見られたら治療に進むことを検討します。

② フォーカルセラピー(Focal therapy):フォーカルセラピーは、監視療法と手術・放射線治療など3大療法の中間にある治療です。まだそれほど大きな処置が必要でないがんを早めに芽を取り正常な機能を残します。病巣を特定して集中的に病巣を治療する方法と、治療の必要性が低い部分を温存する2つの方法があります。今までの研究では生検病理と多様性解析のMRI所見を合わせて適応症例が決められています。
まだ十分な根拠が見られる治療ではないため、治療を勧められた際は十分に下調べをしましょう。

③ 手術:前立腺がんの手術には4種類あります
ⅰ) 開腹手術(恥骨後式前立腺全摘除術)
ⅱ) 腹腔鏡手術(腹腔鏡下前立腺全摘除術):腹腔鏡手術は、小さな穴を開けて、炭酸ガスを使って腹部を膨らませ、専用のカメラや器具で手術を行う方法です。
ⅲ) ロボット手術(ロボット支援前立腺全摘除術):手術の際の微細な手の震えを抑える手術です。拡大画面によって精密な手術ができます。ロボット手術は、開腹手術に比べ傷を小さく留めることができ、腹腔鏡手術と比較しても合併症からの回復が早いのが利点です。

④ 放射線治療:病巣に放射線をあてていきます。手術と同様、がんのみを治療する局所療法の一つでがん細胞の遺伝子に傷をつけ、がん細胞を消滅させ小さくすることができます。
手術に比べて肉体的な負担が少なく、また通院しながら治療をすることができるので患者や患者の家族にも負担が少ないのが最大のメリットです。また、副作用や後遺症があると言われていますが生活に大きく支障をきたすほどではないと言われています。

⑤ 抗がん剤療法(ホルモン療法):前立腺がんには、精巣や副腎から分泌される男性ホルモンであるアンドロゲンの活性化によりがんが進行することがあります。内分泌療法は、アンドロゲンの分泌や働きを妨げる薬によって前立腺がんの進行を抑えます。内分泌療法は手術や放射線治療を行うことが難しい場合や、放射線治療の前かその後に、がんが他の臓器に転移した場合などに行われます。ホルモン療法は有効な治療法であるものの、アンドロゲンが押さえられることで、骨密度が低下する恐れがあります。そのため骨折などを引き起こす可能性がありますので主治医の説明にきちんと納得した上で治療を決めましょう。

 

前立腺がんへの対処

前立腺がんの予防のためのPSA検査

前立腺がんは早期に発見すれば助かるがんです。手術や放射線治療で治癒することが可能です。進行が他のがんに比べて遅いため、もし万が一すでに進行していても適切な処置がなされれば完治の確立が高いと言われています。

そのためにも早期発見が可能なPSA検査を受けることをお勧めします。
目安は50歳といわれていますが、特に、近親者に前立腺がんの患者がいる人は40歳ころから積極的に検査を受けることが推奨されています。米国では1年に1回検査を受けるように記念切手も発行され、国全体で撲滅を目指しています。早期に発見すれば治療の選択肢も広くなっていきます。

 

免疫療法を検討しましょう

免疫療法という言葉を聞いたことがありますか?前立腺がんと診断されたら3大療法と呼ばれる手術、放射線療法、抗がん剤治療のどれか1つは必ず主治医から提案されることがほとんどです。

前立腺がんの術後患者の5年、10年生存率はほぼ100%という数値があるほどがんの中では生存率がかなり高い方です。これは術後に他の病気にかからなければ長生きできるということです。そのため術後から高齢になるまでQOLをいかに良い状態で保つかが重要です。
前立腺がんは術後の合併症に尿失禁があることが多いので念頭に入れておき、もしかかってしまったならそれを早めに治して通常の生活に戻ることが、前立腺がんのQOLを高めるために必要です。
尿失禁とは手術の際に、尿の排出を調節する筋肉に傷が入ることにより尿道の締りの機能が落ちることで、例えば咳をしたり重いものを持ったりくしゃみをした時に尿が漏れることがあります。これを防ぐため神経などの温存を行いますが、ご高齢の方や免疫力の下がっている方はなかなか治りにくく長引くことがあります。
そのためこの合併症が発生したときの治りを早めたりする役割も免疫療法にはあるのです。

免疫療法は人間の体に本来備わっている病気を防ぐ力を最大限に引き出していく治療法です。
3大療法のうち副作用が一番大きいのは抗がん剤と言われていますが、副作用の辛さだけでなくDNAの細胞をも破壊してしまうほどの力があります。
がんは免疫力が低下した結果起こる病気です。抗がん剤など免疫を強く傷つけてしまう療法は、がんに対応できる体作りを妨げます。

がん細胞は元々正常細胞が変化したもののため、免疫力が十分に働いてくれれば、人体に悪影響を及ぼすほどまでに大きくなるはずがありません。
生まれてくるがん細胞の数や増殖速度よりもそれらを殺傷する免疫細胞の数と力が強ければ、がんを押さえ込むことができるという理論です。
抗がん剤はその副作用に耐えられない場合はストレスが溜まり免疫力を下げてしまいます。また、痛みに耐えられず精神的に苦痛で我慢できなければ更に強い痛み止めを処方される場合もあります。それにより免疫はますます低下してしまいます。
免疫療法は自分の細胞を使っていく療法のためほとんど副作用がないのも利点です。

 

食事療法

前立腺がんになる要因の一つに食事の欧米化があります。しかしだからといって野菜ばかりなどの食事はバランスが悪く良くありません。
食事も免疫療法の一つであると意識して栄養をバランスよく取り入れて、積極的に高エネルギー食品摂取で体力をつけていきましょう。抗がん剤療法をする患者はがんと闘っていくので、体重を上げていくくらいの意識でよいのです。
放射線療法や抗がん剤療法を受けると白血球が下がりますが免疫療法ではこれを再び上げることが可能です。

その他でがんになりにくくさせる方法、進行させない方法としては直射日光を避け、ストレスをためず、ビタミンなどの抗酸化作用のある栄養素を摂ることです。

 

さいごに

がんの中には早期発見されてもあっという間に進行してしまうがんもあります。しかし前立腺がんは40~50歳以上になった時に定期的に検診を受けることで防ぐことのできるがんです。
厚生労働省の「がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針がん検診の目的」は、がんの早期発見と適切な治療を見つけ死亡率を減少させるのが目的で、がんによってはそれぞれの検診目的がある場合もあります。
前立腺がんについて指針として定められている検診は特にありませんが、気になる症状がある場合には、医療機関を早期に受診しましょう。
早期に発見することができれば3大療法の他にも効果が期待できる補助的治療選択の可能性があります。
免疫療法も早期の段階であれば効き目が高いということが実証されています。
前立腺がんの検診は40~50歳からの定期検診が推奨されていますが、まれに20代30代の方にも見つかるがんです。
その場合射精ができなくなり妊娠が困難になるケースも想定されるので油断はできません。何か違和感を感じることがあれば自分がまだ若いからと言って放置せずに早めに受診しましょう。

医療ライター。
医薬系会社にて医療事務に従事する傍らで、美容系サイトにて痩身美容(脂肪吸引など)ついて執筆するフリーライター。
主に得意分野は、がんや免疫療法、経営者インタビュー記事作成など。

がんの免疫療法完全ガイド

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