腎腫瘍と腎臓がんの違いとは?腎腫瘍ができたときに知っておきたいこと

腎腫瘍があると診断されると不安になることが、腎臓がんではないかということです。腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。良性腫瘍は他の臓器へ転移することはありませんが、悪性腫瘍は他の臓器へ転移することがあります。より危険なのは悪性腫瘍です。この腫瘍は、腎臓がんとどのような関係があるのか説明します。

 

 

腎腫瘍とは

腎腫瘍は腎臓そのものである腎実質にできる腫瘍と、腎臓から膀胱へとつながる、腎盂にできる腫瘍があります。この腫瘍は、良性と悪性のものがあります。良性の腫瘍は、他の細胞に広がることはありません。良性腫瘍が発見されても、健康に影響はないといわれます。

悪性の腫瘍のことをがんといいます。他の細胞へ広がるため命に関わる危険が伴います。

腎腫瘍は良性と悪性の判別が難しいことや、悪性であることが多いといわれることが特徴です。

 

良性の腎腫瘍

良性の腫瘍で多くみられるのは次の2種類あります。まず、良性腫瘍についてどのような特徴があるのかをみていきます。

 

・腎血筋脂肪種

良性腎腫瘍の多くがこの腎血筋脂肪種です。名前の通り、主に血液と筋肉と脂肪により形成されている腫瘍です。

小さい状態で発見された場合は経過観察されることの多い傾向があります。腫瘍が大きくなると、血管を圧迫してしまい、重篤な事態になることがあるため4㎝以上の腫瘍は治療により取り除かれます。

 

□治療方法

足の付け根にある、大腿動脈からカテーテルを挿入し、筋腫を切除する方法が行われます。筋腫は血液が集まることで大きくなるため、血液の元となっている血管を塞ぐと小さくなります。

カテーテルは2㎜ほどと細く、2~4時間で治療は完了します。その後4~8時間の安静にする必要がありますが、すぐに歩行が可能になります。

 

・腎のう胞

球状の袋のようになっており、中には液体が貯まっています。多くは、無症状で健康に無害です。しかし、一部には悪性腫瘍を伴うことや、腎のう胞が多発することで、腎機能が悪化することもあります。

小さい場合は治療の必要はありませんが、大きな腎のう胞ができ、腰痛などが伴う場合は治療を行います。

 

□治療方法

細い針でのう胞内に貯まっている液体を吸い出します。液体が再度貯まらないように、エタノールを注入します。この治療を行っても、のう胞に液体が貯まり、大きくなる場合はのう胞を取り除く手術を行う場合があります。

 

悪性腎腫瘍によるがんの種類

腎腫瘍が悪性であった場合はがんといわれますが、腫瘍のできる場所によって複数の種類のがんに分けられます。この悪性腎腫瘍によるがんの種類はどういうものがあるのか、見ていきます。

 

・腎がん

腎臓そのものである腎実質には、尿を作る機能を担っています。ここにできた腫瘍を腎がんといいます。腎臓にできるがんの90%を占めます。

 

・腎盂(じんう)がん

腎臓から膀胱へ尿が運ばれますが、その途中にある尿が集まる部位を腎盂(じんう)といいます。ここにできた悪性腫瘍を、腎盂(じんう)がんといいます。腎臓にできるがんの7~8%にみられます。

 

・小児腎実質がん

子供が発症する腎がんです。ウイルス感染によりできる、ウイルス腫瘍がみられます。

 

 

腎臓のはたらき

腎臓にがんができるとどのような危険があるのでしょうか?それは、腎臓の働きを知るとわかります。

腎臓のある場所は、腰の高さの位置です。お腹の後ろ側に位置していることから、後腹膜といわれます。ソラマメのような形をし、左右に2つあります。腎臓から尿管という長い管があり、膀胱へと続きます。

腎臓の主な働きは、血液を透過して尿を作成することです。また、血圧や造血をコントロールするホルモンも作成しています。すなわち、体内の環境を調整しているのです。腎臓は体内の循環を整える大切な役割があります。

 

 

腎腫瘍ができた時に現れる体の症状

悪性の腎腫瘍ができても、腫瘍が小さい時は、無症状であることが多いです。腫瘍の直径が3㎝以下の時は、体に症状が現れません。そのため早期発見が難しく、厄介ながんであるといわれています。腫瘍が大きくなると、次のような3つの症状が現れます。

 

・血尿

・脇腹の痛み

・腫瘍が自分で触れてわかる

 

まず血尿は、大多数が痛みを伴いません。このことを無症候性血尿といいます。尿血が出るということは、がんが、腎盂のある尿路に浸潤したことを意味しています。

血尿がでる時にはすでに、がんが進行していると言える状態です。

脇腹の痛みや、腫瘍を自分で触れてわかる状態は、腫瘍が大きくなることでわかる症状です。すでに腫瘍が大きくなっている段階であるといえます。

 

がんに直接関係しない症状がでることもあります。体重減少、原因不明の発熱、などです。

このような症状が出た時には、肝臓、肺、骨、リンパ節、皮膚、脳に転移している場合があります。

 

これらの症状が出てから気づくのではなく、腫瘍が小さい時に発見する必要があります。無症状である時から、早期に発見することが大切です。

 

 

腎腫瘍の原因

腎腫瘍ができる大きな原因は、肥満、高血圧、喫煙です。

また、10年以上透析を続けている人や、職業上、重金属や有機溶媒に長年接触している人も発症リスクが高くなります。

遺伝性により発症する場合もあります。

 

食生活

肥満や高血圧が、悪性腎腫瘍の発症リスクを高めるため、適正な体重を維持することが必要です。まず、気をつけたいことが食事です。食事で気をつけることは次の2つです。

 

・塩分を控える

・野菜や果物を多く摂る

油ものや塩分量の多い食事に偏るのではなく、肉、魚、野菜、果物をバランスよく摂る食事を心がけましょう。

 

たばこ

食事以外の原因は、たばこです。たばこには発癌性物質が多く含まれています。たばこを吸う習慣のある人は、禁煙することをおすすめします。

 

食事とたばこは、腎腫瘍だけでなくそのほかのがんや、生活習慣病になる原因でもあります。食習慣を改善すること、禁煙することはそのほかの病気を予防することにも繋がります。

 

 

腎腫瘍を早期発見する大切さ

腎腫瘍を予防するとともに、早期発見することが大切です。早期発見が大切な理由は、腎腫瘍が大きくなるからだけではありません。

悪性の腎腫瘍である腎臓がんは、抗がん剤治療が効きづらいという特徴があります。また、進行スピードが速い場合があるからです。

抗がん剤治療というのは、手術で取りきれなかったがん細胞を小さくする治療です。腎腫瘍はこの治療が効きづらく、進行スピードが速いということは、あっという間に危険な状態になってしまうことを意味します。

 

そのため、抗がん剤治療をしなくても、腫瘍を手術で全て切除できる段階である、早期に発見することが重要なのです。

 

健康診断で早期に発見できることが多くあります。それは、超音波検査(エコー)が行われるからです。健康診断を定期的に受けていれば、体に症状が出る前の早期発見に繋げることができます。そのため、定期的に健康診断を受けることが大切です。

早期発見することは、早期に治療を開始することができます。治療後の回復も早まります。

 

 

早期治療後の生活

早期に治療すると、治療後に社会復帰できる可能性が高いのが、腎腫瘍、腎がんです。仕事をしながら治療を続けている人もいます。なぜ、腎腫瘍や腎がんができても、社会復帰をすることができるのでしょうか。

それは、腎臓は2つあるからです。がんがある側の腎臓を1つだけを切除しても、もう片方は残ります。1つの腎臓が正常であれば、日常生活に支障をきたすことは少ないため、早期に社会復帰が可能なのです。そのため、早期治療を開始することが望ましいです。

 

 

腎腫瘍の検査

健康診断、人間ドック、泌尿器外来などで行われる検査で腎腫瘍を発見することができます。

検査の方法は、次のような方法があります。

 

・超音波(エコー)

最初に行われるのが一般的です。超音波診断装置を使って腎臓の中を見る方法です。からだへの負担が少ないことが特徴の検査です。

 

・CT検査

超音波検査で、腎腫瘍が疑われた際はCT検査が施行されます。X線を使い、体の内面(横断面)を描き出す方法です。腹部の断面図を確認することで、腫瘍があるかどうか、ほぼ判断できます。

腎がんと他の疾病との鑑別診断。腫瘍の広がりやリンパ節転移の有無などを知ることができます。

 

・MRI検査

CTでは悪性疾患との区別が難しい場合にMRI検査が行われます。

腎がんとは別に腎臓の中の尿路にできる腎盂腫瘍があります。この腎盂腫瘍と腎がんの区別が難しい場合などがあるからです。

 

・血液造影検査

腎腫瘍や腎がんが見つかった場合、手術法を決定するために、最終的に行われる場合のある検査です。

 

腎腫瘍や腎がんを疑われる場合、生検は行われません。生検というのは、がんの疑いがある細胞の一部を針で採取し、調べる検査方法です。

細胞を採取するために、腫瘍を針で刺すとがん細胞を周囲にまき散らす恐れがあります。そのがん細胞が、ほかの臓器へ転移しやすい危険があるからです。

 

 

腎腫瘍の病期診断

悪性の腎腫瘍は、他の臓器へ転移する危険があります。そのため、手術前後に病期が決まります。病期により治療方針は大きく変わります。病期について理解していると、自分はどのような状態であるか、どのような治療が必要なのかがわかります。

腎腫瘍の病期について、理解することが大切です。

 

腎腫瘍がどういう状態であるかを判断するために、TNM分類が用いられます。これをもとに4つの病期に分けられます。

TNM分類とは、原発腫瘍(T)、所属リンパ節(N)、遠隔転移(M)の3つがどういう状態であるかを判断することです。この3つの状態を基準に、病期が4段階に分けられます。

まず、TNM分類は次の通りです。

 

T-原発腫瘍

・T1 最大直径が7㎝以下 腎に限局する腫瘍

・T2 最大直径7㎝以上 腎に限局する腫瘍

・T3 腫瘍は主静脈内や副腎に浸潤 または腎周囲に浸潤するが腎筋膜を超えない

・T4 腫瘍は腎筋膜を超えて浸潤する

 

N―所属リンパ節

・N0 所属リンパ節転移なし

・N1 1個の所属リンパ節に転移

・N2  2個以上のリンパ節の所属リンパ節転移

 

M―遠隔転移

・M0 遠隔転移なし

・M1 遠隔転移あり

 

病期の分類

TNMの状態から、病期がわかれます。腎腫瘍の病期は次のようになります。

 

  1. (T1、N0、M0)腎臓に限局する7㎝以下の腫瘍
  2. (T2、N0、M0)腎臓に限局する腫瘍が7㎝以上
  3. (T1-2、N1、M0)腫瘍は腎臓内に限局するが所属リンパ節転移が1個認められる

腎静脈内や腎周囲組織に進展、するが腎筋膜を超えず

(T3、N0-1、M0)リンパ節転移を認めないかリンパ節1個の転移で他の臓器への転移は無い

4期 (T4、Nは関係なし、M0)腫瘍が腎筋膜を超える

(Tは関係なし、N2、M0)2個以上の所属リンパ節に転移がある

(TとMは関係なし、M1)多臓器へ転移がある

 

原発腫瘍とは、最初に発生した腫瘍のことです。この腫瘍の大きさがどれくらいか、リンパ節に転移しているか、他の臓器へ転移があるか。3つの状態を病期の基準に照らし合わせると、腫瘍の病期が判断できます。

腎腫瘍が見つかったら、3つの状態を把握することが今後の治療方針を見通すために役立ちます。

 

 

腎腫瘍の治療方法

 ・手術

開腹手術と、腹腔鏡手術の2種類あります。

転移を防ぐために、腎腫瘍だけでなく、周囲のリンパ節を含めて摘出します。

しかし、早期の小さな腫瘍の場合は、腫瘍だけ取り除く部分切除を行います。腎臓をできるだけ保存するためです。

腹腔鏡手術は、回復が早いため、選ばれることが多くあります。

腫瘍の大きさや体力、希望などにより手術法が検討されます。

 

・化学療法

腎がんには抗がん剤の効果はあまりないといわれていますが、転移した場合や再発した場合などに用いられることがあります。

 

・放射線治療

放射線のみで治療することは困難ですが、症状を緩和させる効果が期待できます。骨や脳転移に対して主に行われます。

 

・免疫療法

手術や化学療法と併用して行うことができます。免疫を上げることで、がん細胞と闘うことができます。

がん細胞が増えることを抑えることができるため、腫瘍の再発や転移を防ぐことができます。また、術後の体力も回復しやすくなります。免疫はすぐに上がるものではないため、早い段階から取り入れることが望ましいといえます。



 

 

まとめ

腎腫瘍は、良性腫瘍と悪性腫瘍の2種類があります。良性腫瘍は、他の臓器へと広がることはありませんが、悪性腫瘍は他の臓器へ広がるため、がんといわれます。腎腫瘍ができていると診断されたら、良性腫瘍か悪性腫瘍かを知ることが大切です。

悪性腫瘍だと診断された場合、早期に適切な治療を行うことが重要です。治療法を決めるにあたり、必要なことは腫瘍の状態を把握することです。次の3つを確認するようにしましょう。

・腫瘍の大きさ

・リンパ節に転移があるか

・ほかの臓器へ転移があるか

これらを把握し、必要な治療を始めましょう。

 

腎腫瘍を早期発見するには、定期的な検診を受ける事。何も症状が無くても、健康診断を毎年受けるようにしましょう。

医療ライター。

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