悪性腫瘍、良性腫瘍の判断

まず悪性腫瘍、良性腫瘍について理解を深めていきましょう。

悪性腫瘍と聞いて、がんを連想することも多いと思いますが、がんとの区別についても説明します。

 

悪性腫瘍の特徴・良性腫瘍との違い

悪性腫瘍の特徴

悪性腫瘍の特徴としてまず第一に、細胞が制御できないくらい異常に増えていくもので、転移を伴う腫瘍です。大きくなって周りに広がったり,違う臓器に移ったりします。

良性腫瘍と違って生死に関わる可能性があり、無治療のままだと死に至る可能性が高いと言われています。

一般的に「がん」という言葉は「悪性腫瘍」と同じ意味として使用されることが多いです。

大きく分けて下記の3通りがあります。

 

①  「がん」と呼ばれる場合:一般的に悪性腫瘍(悪性新生物)のことで、肺がん、乳がんなど皮膚や粘膜、上皮性細胞からできるものを指します。肉腫や悪性リンパ腫は含まれません。

 

②  「肉腫」と呼ばれる場合:全身の骨や軟部組織(脂肪、筋肉、神経など)から発生する悪性腫瘍のことで、英語でSarcoma(サルコーマ)と呼ばれています。肉腫の特徴は、希少性と多様性にあります。上記①の上皮性悪性腫瘍に比べて肉腫の発生頻度は極めて低くなっています。悪性腫瘍全体に占める肉腫の割合は約1%に過ぎません。

 

③  血液のがん:白血病(急性・慢性)、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などがあります。

 

良性腫瘍の特徴

細胞の性質から見ると、悪性腫瘍は分化度が低く、良性腫瘍は分化度の高い特徴を持ちます。

分化度とは何のことでしょうか。

人のからだを構成する細胞は1個の受精卵に由来し、細胞分裂を繰り返すうちにさまざまな機能や形態を持つ細胞に変化します。これを細胞の「分化」といいます。分化の進み具合を「分化度」といい、成熟の度合いに応じて、未分化、低分化、高分化などと表現されます。分化度の低い(未分化・低分化)細胞は、活発に増殖する傾向があります。それがすなわち悪性腫瘍です。

 

ここでは分化度の高い「良性腫瘍」の身近な例として、婦人科系の疾患である子宮筋腫や乳腺症、ポリープについて取り上げていきます。

■子宮筋腫:子宮筋腫は良性腫瘍です。増殖スピード、形状、浸潤の判断基準からみて問題はない腫瘍です。細胞が膨らむように大きくなった腫瘍であり、転移する可能性や、切除などの手術後に再発する危険性も低いです。

 

■乳腺にできる腫瘍(乳がんのしこりと間違われやすいもの):良性のしこりとしては、乳腺症による正常な乳腺がしこりのように固く触るものや、のう胞(液体のたまり)、線維腺腫、葉状腫瘍などがあげられます。
・ 乳腺症:乳腺の一部がかたくなる病気で,乳癌などの真性の腫瘍でも乳腺炎でもないものの総称です。片側の乳房に複数発生したり、両側の乳房に同時に発生したりします。痛みを伴うこともあり、乳首から血性または漿液性の分泌物がみられることもあります。
・ 線維腺腫:乳腺線維腺腫のしこりの特徴は、かたくて丸く、コリコリした1~2cmくらいの小さなボールのようなものです。周囲の組織とはつながっていないため、よく動くのが特徴です。乳房にできるしこりの8割以上が乳腺線維腺種だといわれています。

・ 葉状腫瘍:しこりの大きさが乳腺線維腺種よりも大きいのが特徴の病気です。

※写真は乳がん検診に使われるマンモグラフィー(医療機器)

 

ただ、痛みやはれが気になって受診し、偶然に乳がんが発見されることもありますので、気になることがあればすぐに専門医療機関を受診してください。

 

■ポリープ(がん化の可能性がある場合がある):健康診断でポリープや腫瘍が発見されると、がんではないかと不安になることがあるかと思います。しかし、精密検査の結果、がんではないと判断されるケースが少なくありません。

 

ポリープは、細胞が異常に増殖して臓器の粘膜上に隆起してできた突起物です。大腸や胃のような管状、あるいは袋状の臓器に出現する一方で、肝臓や、すい臓のような中身が詰まっている臓器には出現しないと見なされています。

種類としては、声帯など喉にできるポリープ、大腸や胃などにできる消化器系ポリープ、そして子宮頸管や子宮内膜にできる女性特有のポリープがあります。

ポリープは小さいうちは問題ないことが多いのですが、大きくなってポリープ自体がねじれたり炎症を起こしたりすると、痛みや出血をともなうことがあります。

一般的に、ポリープはある程度大きくなりますが、成長が止まれば心配はないといわれています。

 

 

悪性腫瘍と良性腫瘍の違い

腫瘍は「できもの」であり、良性と悪性に分けられる。悪性腫瘍は「がん」である。ではこの良性腫瘍と悪性腫瘍はどのように見分けられるのでしょうか。 下記4つのポイントから見てみましょう。

 

上記が悪性と良性の決定的な違いです。通常怪我をした時は「細胞が正常化するよう」体内から指令が出て怪我が治ったら細胞の活性化は止まりますが、悪性腫瘍の場合は止まるところを知らないほど異常に細胞が増えていきます。

 

なぜ腫瘍ができるのか。メカニズムについて

正常細胞の遺伝子は23,000種類。また、2008年時点でがん遺伝子は766種類存在するといわれています。

遺伝子はたんぱく質の組み合わせでできていて、生命の誕生や維持に不可欠なものです。そのため、がん遺伝子が存在しても、すぐにがんを発病するのではなく、この遺伝子に傷がつくと、細胞をがん化させてしまうのです。

私たちの身体の中には、がんの増殖を促進する遺伝子が存在する一方で、それを防ぐがん抑制遺伝子も存在します。がんが増殖するためのアクセルとそれを防ぐブレーキの両方の働きが、私たちの身体には備わっていて、そのバランスが崩れたときに、がんの増殖が進みます。

 

 

 

 良性腫瘍か悪性腫瘍か手術してみないと分からない一例 ― 卵巣がん

腫瘍の中には卵巣がんのように手術をしてみるまで悪性腫瘍か良性腫瘍か見分けができないケースがあります。がんの診断には腫瘍の組織の一部を採取する必要があります。例えば肺がんであれば内視鏡でがんの疑われる肺から組織を採取します。しかし、卵巣がんの場合はそれが不可能になります。これは物理的には可能なのですが、針を刺すことによって、もし悪性腫瘍だった場合はがん細胞が蔓延する可能性があるためです。

 

良性腫瘍の手術・良性腫瘍の成長

良性腫瘍で手術をする場合

良性腫瘍で手術をした方が良い場合とはどういう場合でしょう。まず一つに悪性の可能性があったり、大きくなる傾向があり、形状が不整であると診断された場合、このいずれかの疑いがある場合です。その他に、自覚症状があり日常生活に支障が出ていたり、大きくなった腫瘍は手術の対応になります。目安としては5センチを超えると患者が違和感を訴える場合が多いようです。良性腫瘍は基本的にはほとんどが経過観察を推奨されますが、このような場合は手術が考慮されます。

 

良性が悪性腫瘍になることはあるのか

良性から悪性に変わることはまずないと考えられていますが、診断の時点で良性か悪性か判断できない腫瘍もあり、経過観察をしている間に明確になってくる場合があります。良性が悪性に変わったということではなく診断で悪性と決めることができなかったというケースです。そのため良性腫瘍と言われても安心せずに定期検診を欠かさないことが重要です。

 

悪性腫瘍の治療と免疫療法

悪性腫瘍の治療

がんの場合3大療法は①手術②化学療法③放射線療法です。肉腫の場合もこの3つが主な治療法になります。この3つのうち1つが適用される場合や組み合わせて適用される場合があります。血液がんの場合は、化学療法、分化誘導療法、分子標的治療、造血幹細胞移植などがあります。

 

悪性腫瘍の治療を支える免疫療法

これまで悪性腫瘍と良性腫瘍の特徴などについて説明しました。上記では悪性腫瘍、がん、肉腫、血液がんの主な治療法を簡単に挙げましたが、免疫療法は悪性腫瘍の根本原因とも考えられる免疫低下に訴求する治療法です。まだ3大療法や上記のその他の療法に加えられるほど一般的にはなっていませんが、一部の免疫療法は保険の適用もされ始めているほど効果が明らかになっています。

免疫療法は人間の体に本来備わっている病気を防ぐ力を最大限に引き出していく治療法のため副作用が起こらないことも大きな利点です。

また、3大療法のいずれかを選択した時に、免疫療法はその治療法の効果をますます向上させていくこともできます。

例えば、手術であれば傷口の治りが早くなる、化学療法の場合は副作用を軽減する、などです。

免疫療法は自分の細胞を使っていく治療法のためほとんど副作用がないのも利点です。

悪性腫瘍やがんが発症すると、細胞は増殖をし続け正常な細胞をどんどん壊していきます。転移や再発を未然に避けるためにも、また闘病生活中の生活の質の向上においても免疫療法は役立つ存在となっています。

 

さいごに ー ただのしこりだと思って自己判断をしない

上記で説明したように、悪性腫瘍と良性腫瘍は境界がわかりにくく、ポリープや腫瘍に関する判断は、細胞を調べてみないとわからないことが多いようです。良性腫瘍と悪性腫瘍には感触の違いこそありますが、自己判断で決めつけるのは危険です。

また、良性腫瘍なら安心だとは言い切れません。場合によっては命に関わる可能性もあるため、腫瘍の状態や部位などから判断し、手術で取り除くなどの処置が必要になります。

腫瘍を早期発見し、良性か悪性かを判断するためには、がん細胞に反応する腫瘍マーカーと呼ばれる血液検査や、画像診断が有効です。とくに悪性であった場合は、がんのステージによって治療方法やその後の生活の質が大きく変わってくるので定期的なチェックを心がけてほしいと思います。

 

医療ライター。
医薬系会社にて医療事務に従事する傍らで、美容系サイトにて痩身美容(脂肪吸引など)ついて執筆するフリーライター。
主に得意分野は、がんや免疫療法、経営者インタビュー記事作成など。

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