大腸がんは食生活と高年齢化が原因?

大腸がんは、日本において高い罹患率があり、それには食生活の変化がその原因とされています。

また、腸管内の細胞は細胞分裂が活発な為、がん化しやすい事も知られており、その為に高齢者になるほど大腸がんになりやすいと考えられています。

 

目次

大腸がんの統計

大腸がんは、男女ともに死亡原因の上位を占めるがんで、40歳以上では年を重ねるごとに罹患者が増えている事がわかります。

女性よりも男性の方が罹患率は高く、2016年の統計によると、臓器別がん死亡者数においては男性の死亡原因の第三位で、女性では一位になっています。

 

大腸がん情報サイトhttp://www.daichougan.info/outline/quantity.html

 

大腸がん情報サイトhttp://www.daichougan.info/outline/quantity.html

 

 

食生活の変化と高年齢化

大腸がんはこの30年で、患者数が約5倍になり、日本においては肺がんに次いで患者数の多いがんになります。
大腸がんの食生活の関連性については非常に密接である事が知られており、食生活の欧米化による事は、1990年代から注目されて来ております。

そのため、大腸がん予防という観点から、肉類を減らす食事や食物繊維を含む野菜類や豆類、海藻類などを多く採る事を心がけた食事が、予防に効果的である事は周知のとおりです。

その為、近年の大腸がん増加の原因は食生活だけでは無く、高年齢化も要因のひとつだと考えられています。

 

 

食生活の中で重要なのが、赤肉の過剰摂取です。

赤肉の中に含まれる動物性脂肪の消化における二次胆汁酸、ヘム鉄による酸化作用、内因性ニトロソ化合物の腸内における生成、調理の過程で生成される焦げた部分に含まれるヘテロサイクリックアミン(発がん物質)等の作用が指摘されてきました。

これらの作用は、牛・豚肉といった赤肉に限らず、肉類全体の摂取が原因で起こります。

つまり、肉類全体の摂取量と大腸がんリスク上昇の関連が見られるため、牛肉や豚肉も含めて食べ過ぎないようにする必要があると考えられます。

 

高年齢化については、遺伝子変化の蓄積が原因です。

再生能力が高い大腸の粘膜は、同時に遺伝子の変化を生み出しやすい為、がんが発生すると考えられています。

日々細胞が生まれ変わる為、年齢を重ねるごとに、遺伝子の変化が積み重なってくるわけです。

このため、年齢が高くなるにつれて、大腸がんの罹患率が高くなるのです。

高年齢化が進行することで、大腸がんの患者はますます増えて来ると考えられています。

 

治りやすいが見つかりにくい

大腸がんは、ステージⅢであっても、70%以上の5年生存率がある為、治療しやすいがんであると言えるでしょう。

しかし、解りやすい自覚症状が特に無いために、発見しにくいがんでもあるのです。

解りやすい症状が出ている時には、症状がかなり進んだ状態であると言えるでしょう。

 

典型的な症状としては、

・便に粘液や血が混じる

・お腹にしこりがある

・下痢や便秘が続く

・便が出きらない感覚がある

・便意があるが出ない

 

痔でも便に血が混ざりますが、痔の場合は排便時に痛みを伴い、便の周りに付着した血の色は鮮やかな赤色なのに対し、大腸がんの場合は痛みが無く、黒っぽい色の便になる事があります。

その場合は痔というよりは大腸がんの可能性が高いので、検診を受けると良いでしょう。

お腹にしこりを感じる様になると、大腸がんが進行している状態になります。

そして、大腸がんによって、腸管内が狭くなった事により便が出きらない感覚や、便が出にくくなったりします。

 

 

 

検診の重要性

大腸がんの症状は特徴的なものが無く、自覚症状が現れてからでは、病気が進んだ状態になっていることが多いのは、前項で述べたとおりです。

しかし、大腸がんは初期で見つかった場合、治癒率の高いがんでもある為に、早期発見が重要なのです。

 

具体的な方法としては、大腸がん検診を毎年受ける事が重要です。

大腸がん検診は、「便潜血反応」という、便の様子からは解りにくい、潜んだ出血の状態があるかどうかを調べる検査です。

2日分の便を検査する事で、検査の精度を高めていますが、1日分でも構いませんので、検診の際は必ず便検体の提出を忘れずに行いましょう。

大腸がん検診を毎年受診することで大腸がん死亡が60%減ることが報告されています。

 

便潜血の検査で異常が認められると、精密検査を実施します。

精密検査は直腸指診・注腸造影検査・内視鏡検査などが実施されます。

 

内視鏡検査は、病変部分を切り取り病理学的に細胞の検査を実施する事で、がんかどうかを判断する事が出来ます。

 

 

 

大腸がんの標準治療

大腸がんは、がんが大腸組織のどの深さまで発育しているのか、リンパ節への転移の有無、他の臓器への転移の有無で病期をステージ分類しており、それぞれの進行度に合わせて治療法を選択しています。

 

国立がん研究センターがん情報サービスhttps://ganjoho.jp/public/cancer/colon/treatment_option.html

 

内視鏡治療

内視鏡を使いがんを内側から取り除く方法で、がんを直接見る事が出来ます。

また病変部分を切除しその組織について検査を実施する事が出来る為、精密な診断が出来ます。

ごく初期のがんであるステージ0期やⅠ期では、この方法で取り除くことが出来ます。

内視鏡治療は、患者様への負担も少ない治療法です。

 

手術療法

内視鏡で取りきれない場合は手術でがんを切除します。

その時に、周辺のリンパ節や他の臓器に転移がある場合は、なるべく一緒に取り除きます。

 

結腸がんの場合は、がんが見つかった場所の両側10cmのところで切除し残った結腸を縫い合わせます。

排便や排尿などの機能障害はほとんどありません。

 

直腸がんは、骨盤の奥にあり、膀胱、生殖器、泌尿器など、日常生活に重要な臓器が周辺にあるので、それらをコントロールする骨盤内の自立神経を温存することを目標に手術を行います。

 

場合によっては、人工肛門になる場合もあります。

 

放射線治療

直腸がんでは、骨盤内からの再発の防止、手術前のがんの大きさを縮小する、肛門を温存する事などを目的として行う「補助放射線治療」と、切除が難しい骨盤内のがんによる痛みなどの症状緩和を目的で行う「緩和的放射線治療」があります。

 

 

 

薬物療法

がんの薬物療法は、抗がん剤を使用した治療方法です。

抗がん剤は、DNA合成阻害、細胞分裂阻害、DNA損傷、代謝拮抗、栄養阻害などの作用があり、がん細胞の発育を抑える事や死滅させることが出来ます。

 

 

期待が高まる免疫療法の今

免疫療法とは、人間の体内にある自然な免疫機能を利用した治療法で、体内にある免疫細胞の働きを強めたり、助けたりする薬を投与することや、体内の免疫細胞を一旦体外に出して、活性化を促し体内に戻すと言った治療法が研究されており、一定の効果を上げてきました。

 

免疫療法は、抗がん剤治療の副作用の緩和にも役立っており、様々な治療法と併用する事が可能です。免疫療法は、他の治療法と比べて副作用も少ないため、患者様に対し優しい治療法だと言えるでしょう。

同じ全身療法である抗がん剤治療は、特定のがんにのみ効き目があるものが多いのに対し、免疫療法はがんの種類に関係なく使えるという利点もあります。

 

近年研究が進み新しく登場したのが、免疫チェックポイント阻害剤と言われる抗がん剤です。

がん細胞が免疫機構から自身を守ろうとする仕組みをがん免疫逃避機構と呼びます。

このがん免疫逃避機構が作用すると、正常に免疫機能が働かなくなり、がん細胞の増殖を止める事やがん細胞を死滅させる事が出来なくなります。

 

そのがん免疫逃避機構を壊すのが、免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれるもので、抗PD-1抗体を用いた抗がん剤が注目されています。

阻害薬が効かない方もいるため、対策のひとつとして樹状細胞ワクチンなどの免疫療法を併用しがん認識リンパ球を増やしてから、免疫チェックポイント阻害薬を使用する場合があります。

 

免疫機能を利用したがん治療は、今後のがん治療のありかたを変えていく事が期待されます。

 

 

 

まとめ

非常に患者数の多い大腸がんは、治療がしやすいと言われていますが、特徴的な症状が無いままに進行する特徴がある為、毎年検診を欠かさず行う事が大切です。

早期発見であれば、治癒率の高いがんだと言えるでしょう。標準治療法に加えて免疫治療も注目を浴びており、今後の治療効果が期待されています。

 

 

大腸がん情報サイト

http://www.daichougan.info/

国立がん研究センター がん情報サービス

https://ganjoho.jp/public/index.html 

国立がん研究センター 

http://epi.ncc.go.jp/index.html

 

 

 

 

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