膀胱がん

膀胱がんの症状で最も多いのは血尿で、特徴としては尿検査をやって初めてわかるような血尿ではなく、多くの方が実際に自分の目で見て鮮血の尿が出たことで診断されます。

膀胱がんが原因で血尿がある時、痛みが全くないことが多くあります。

 

一方、少ないケースではありますが、血尿が出ずに排尿時の痛みで見つかる方もいらっしゃいます。

膀胱がんが男性に多い理由は喫煙との関係が挙げられますが、喫煙しない男女を比較した場合でも男性の方が多いことがわかっています。そのため断定できる理由はまだ見つかっていません。

 

膀胱がんの治療で問題になるのは手術における膀胱の全摘出手術です。

全摘出になった場合リハビリテーションが必要になりQOLにも関わります。

また、男性の場合は射精障害、勃起機能不全を引き起こすと言われていますので、なるべく早期発見をして大事に至らせないことが重要です。

 

 

目次

膀胱がんとは

膀胱の機能

膀胱は骨盤内にある臓器です。

腎臓でつくられた尿が腎盂⇒尿管を経由して運ばれた後、一時的に貯留する袋のような役割を持っています。

膀胱には尿が漏れ出ないよう一時的に貯めておき、ある程度の貯まると脳に尿意を感じさせ排出したくなる機能があります。

膀胱を含め、尿管、腎盂、一部の尿道の内側は尿路上皮という粘膜で覆われています。

 

膀胱がん

膀胱がんは尿路上皮ががん化することで引き起こされます。

ほとんどは尿路上皮がん(筋層非浸潤性がん)という種類です。(①)

 

筋層非浸潤性がん:膀胱筋層には浸潤していないがんで、表在性がんと上皮内がんの2種類があります。

上皮内がん:膀胱の内腔に突出しておらず、粘膜のみががんになった状態です。

表在性がん:それほど有害ではない大人しく浸潤しないがんです。

                 しかし、放置しておくと進行して浸   潤がんや転移のリスクを孕むものもあります。

筋層浸潤性がん:膀胱の筋層に浸潤している状態で、膀胱壁を貫通して壁外の組織へ浸潤

                      したりします。リンパ節や肺や骨に転移を来す危険性があります。

 

 

膀胱がんの症状

膀胱がんの症状は、赤色や茶色の尿が出ることが一般的な症状です。

また、頻繁に尿意を感じる、排尿するときに痛みがあるなど膀胱炎のような症状を生じることもあります。膀胱がんは発生しても症状が軽いため、気づきにくいがんです。

症状が現れた時はすでに筋層浸潤性がんや転移性のがんであったということもあります。

早期に発見できるに越したことはありませんので、下記の自覚症状があれば検診を受けましょう。

 

肉眼的血尿

肉眼的血尿(血の色が鮮血)は最も一般的な膀胱がんの症状です。

血のかたまりが出る場合もあります。一般的に痛みなどを伴わない無症候性です。

膀胱炎など別の疾患で血尿が出ることもあるため必ずしも膀胱がんだとは言い切れませんが、数日間は注意して経過観察をしましょう。

 

膀胱刺激症状

尿意切迫感、頻尿、排尿時痛や、下腹部の痛みなどの膀胱刺激が症状として出ることがあります。

このような症状は膀胱炎と非常に似ていますが、決定的に違う点は抗生剤がなかなか効かないことです。

 

背部痛

膀胱がんが広がり、尿管口が閉塞されることにより尿の流れが滞り、尿管や腎盂が拡張します。

(初期症状から少し経過してから出てきます。)

この水腎症と呼ばれる現象は背中に鈍痛を感じます。ですが、類似している疾患として尿管結石でもこのような症状が出てきます。

 

原因

①喫煙:膀胱がんにおいて、リスクとなる要因は喫煙です。

           男性の5割以上、女性の約3割の膀胱がん患者は喫煙者だったというデータがあります。

           喫煙者は、非喫煙者に比較して2~4倍、膀胱がんの発症リスクが高いとされていますが、

           まだ因果関係ははっきりしていません。

           全てのがんの種類が喫煙を初めとする生活習慣病と関与していますが、

           日本泌尿器科学会の膀胱がん登録データベースのデータ分析では、

           喫煙者の膀胱がんの発症は、非喫煙者より約5~6年早いことが明らかになっています。

 

②職業病:仕事上ナフチルアミン、ベンジジン、アミノビフェニルといった危険物質に

              さらされること もリスク要因と見なされています。

 

生存率

膀胱がんの生存率は下記の通りで、Ⅳ期からは明らかに生存率が落ちていることが分かります。

 

病期

症例数(件)

5年相対生存率(%)

I

829

91.7

II

312

73.7

III

200

60.7

IV

154

15.9

全症例

1,559

75.5

 

 

治療法

手術

膀胱がんの最も標準的な治療で、経尿道的膀胱腫瘍切除術と膀胱全摘除術があります。

 

− 経尿道的膀胱腫瘍切除術

多くは下半身を麻酔することで尿道から内視鏡を挿入し、

内視鏡に付属する電気メスを用い膀胱腫瘍を切除します。

 

− 膀胱全摘除術

開腹し膀胱をすべて摘出することによって膀胱がんの治療を行う方法です。

上記の経尿道的膀胱腫瘍切除術では切除しきれない場合に選択されます。

その際、膀胱がんが転移するリスクのある閉鎖リンパ節や腸骨動脈周囲リンパ節の摘出も行います。

膀胱を適出した場合、尿路を再建する必要があります。

このことを尿路変向術と呼びます。

がんのある位置、病態や全身状態などによって3つの再建方法があります。

 

※女性の場合は、子宮と腟の一部を膀胱と一緒に切除するのが一般的です。

   腟が少し短くなってしまいますが、性交渉に支障はそれほどありません。

※男性の場合は射精障害、勃起機能不全を引き起こす可能性がありますので、

   事前にリスクについて担 当医と話し合いましょう。

 

放射線療法

放射線はがん細胞を死滅させることができるため、手術が難しい場合、もしくは手術との組み合わせで用いられます。

膀胱がんの場合、放射線単独または化学療法と組み合わせにより浸潤性の膀胱がんの治療に使用できます。

膀胱全摘除術の場合尿路変更が必要となるのですが、この全摘出による尿路変更を避ける手術(全摘出しない手術)の場合に、手術と組み合わせることがあります。

副作用として考えられるのは、照射部の皮膚炎、直腸の出血、膀胱の委縮があります。

 

化学療法(抗がん剤を使用する療法)

− 膀胱内注入療法

経尿道的膀胱腫瘍切除術の後に再発予防として膀胱内に注入することがあります。

 

− 抗がん剤全身投与法

進行性の膀胱がん(リンパ節や多臓器に転移ある場合)は、

抗がん剤を各種組み  合わせて点滴注入し治療します。

 

また膀胱全摘除術の前または後に、膀胱がんの根治 (がんを完全に死滅させる)を高めるために用いる場合があります。

 

 

尿路変更におけるリハビリテーションと政府からの補助

尿路変向術は身体的変化をもたらすだけでなく、精神面や生活の質にも影響します。

さらに、術後は尿路変向術の特徴に合わせたリハビリも必要となります。

そのため、手術方法については、生活様式に合う方法を含めて、担当の医師と相談した上で決めてください。

 

人工膀胱・尿路変向術は身体障害者手帳では4級と認定されているため障害年金の対象にはならないと思っている方が多いようです。

障害年金では人工膀胱・尿路変更術は3級に認定されますので障害年金を受給できるよう、詳しく窓口や病院で情報収集をしてみましょう。

 

 

合併症 

術後の合併症には感染、吻合不全、肺梗塞、水腎症などがあります。

①感染

抗生物質に耐性を持った菌に感染すると多臓器不全におちいり致死的になることがあります。

②吻合不全(ふんごうふぜん)

尿路変向術を行った場合には、腸管の吻合不全を起こすことがあり、腹膜炎を併発することがあります。その場合緊急手術が必要となることがあります。

③肺梗塞(エコノミークラス症候群)

膀胱がんの手術は手術時間が長いこともあり、血が静脈内で固まる動脈を詰まらせる肺梗塞を引き起こすことがあります。

④水腎症

尿路変向術の際、尿管や尿道と腸粘膜の接合部分が狭くなり、尿の流れが悪くなります。

放置すると腎臓の機能の障害につながります。

⑤長期間経過後の腎機能障害

尿路変向術後は、特に大きな合併症がなくても、長期的(数年~十数年)には腎臓の働きが悪化することがあるとされています。

 

 

治療サポート、予防としての免疫療法

 表在性膀胱がんで、経尿道的膀胱腫瘍切除術を行った場合の5年生存率は95%以上です。

しかし、再発を何度か繰り返している間に浸潤性膀胱がんへと進み、膀胱全摘除術が必要になることもあります。

 

再発予防として免疫療法も検討することができます。

がん細胞というのは、手術をしたとしても体のどこかに残っていて再発や転移をする可能性があります。

そのがん細胞が、症状も示さずに水面下にあるということを、一度がんを発症した患者は注意して生活しなければなりません。

一度がんを発症し、転移や再発を避けたいという強い希望を持っている患者様には免疫療法で予防をする方も実際にいらっしゃいます。

この場合免疫療法はがんだけに作用するだけでなく他の病気にもかかりにくい状態にすることもあります。

免疫療法は自己の免疫を活用して免疫力を高めていく療法で、副作用がほとんど見られないのが大きな特徴です。

 

 

さいごに

膀胱がんの治療後の最も大事なことは膀胱がんの再発した際にいかに早期に発見するかです。

特に経尿道的膀胱腫瘍切除術後の再発率は約3割~8割強と言われており非常に高い確率です。

膀胱を全部摘出して尿路変更すると男性は性機能などにも支障が出ますので、早期の発見治療と、一度膀胱がんにかかってしまったら進行させない対応ができるよう情報収集をしましょう。

 

免疫療法は副作用もなく日常生活に取り入れることで免疫力が高まり疾患全般にかかりにくくなる効果も期待されていますので是非検討してみましょう

 

 

 

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