放射線治療におけるメリット・デメリット

ここではがんの治療にとって放射線治療がどのような役割をしているか、放射線治療の種類やメリットやデメリットなどを中心にご紹介します。

 

 

目次

放射線治療とは

放射線治療とはがん3大療法の1つ

1.手術

2.放射線治療

3.化学療法(抗がん剤)

 

そのうちの1つが放射線治療です。

 

日本において、今までは手術が主な治療法でしたが、最近では放射線治療や化学療法が進歩しています。

 

特に高齢化が進み手術ができない高齢者の方に採用されることが多くなりました。

ここ数年、がんの種類やステージによっては手術と効果が変わらないことが認められています。

 

3つの治療法からどれを選択するか

医者は患者をがんと診断したときさまざまな検査を行いながら、「どの治療を選択すればもっとも効果的なのか」を探っていきます。

 

 

患者の年齢や性別、生活環境、どれくらいQOLを保ちたいかなどが考慮されます。場合によっては、2つ以上の治療を組み合わせる(集学的治療)こともあります。

 

放射線治療の特徴

放射線治療は、病巣に放射線をあてていきます。

 

手術と同様、がんのみを治療する局所療法のひとつでがん細胞の遺伝子に傷をつけ、がん細胞を消滅させ小さくすることができます。

 

手術に比べて肉体的な負担が少なく、がんの形状を温存しながら治療をする方法です。
また通院しながら治療をすることができるので患者や患者の家族にも負担が少ないのも利点です。

 

治療中に効果が現れるものから、治療終了後

 

しばらくしてから現れるものまであります。自分自身の治療効果がいつ頃現れるのか主治医に確認しましょう

 

 

がん3大療法の特長とメリット・デメリット

がんの3大療法の特長

どのようながんの種類やステージなどに効果を発揮するか、メリットやデメリットを挙げて紹介します。 

 

手術


 

放射線治療

 

 

化学療法

 

 

放射線治療について

種類と目的

放射線照射の種類

   目的

根治的照射

■完全に治すことが目的です。
■対象:主に遠隔転移のないがん、放射線に感受性の強いがん、小さながん、切除できない部位のがんになります。
※抗がん剤を併用した根治的照射も増えています。

緩和的照射

■進行がんや再発・転移がんが対象で、がんの根治が難しいと判断された場合に、がんの症状を和らげることが目的です。
■がん病巣を小さくして、器官・血管・神経への圧迫を減少させ、疼痛・嚥下困難・血流障害・神経障害を緩和したり、骨転移による痛み、脳転移による頭痛・吐き気・麻痺などの症状を緩和します。

術前照射

■がんが大きすぎたり、ほかの臓器へのしみこみが強くて切除することが難しい場合に縮小することが目的です。
※主に食道がんや頭頸部がんなどで行われます。

術後照射

■再発予防が目的です。(手術で明らかながん部分を切除した後、わずかに残している場合や残しているかもしれない場合)

 

 

 放射線治療のメカニズム

放射線を照射して、がん細胞のDNAに傷をつけて死滅させます。

数回から数十回に分けて放射線を腫瘍組織あてDNAに傷をつけ細胞そのものを消滅させます。

 

 

正常な細胞はすぐに回復しますが、がん細胞は回復力が遅いため、回復を待たずに繰り返しの照射を行うことで、修復不可能となります。

 

修復不可能なDNAや不完全なDNAを完全になくすにはある程度の期間が必要です。

治療効果はすぐ出るのではなく、1ヶ月程度経過したのちの検査で最もはっきりと現れるようです。

 

どのようながんに適しているか

放射線治療は手術と同様、がんやがんの周辺のみを治療する局所療法ですが、正常組織を残して治療できるため、臓器の形や機能が温存できる点が最大のメリットです。

近年、放射線治療の精度は医療用機器の向上により急速に進歩しています。正常な体内の組織には放射線を当てずして治療ができるため、がんのみに集中的に照射することが可能になってきました。

 

放射線治療の副作用・後遺症

抗がん剤に比べると安全性が高く手術よりは身体的に負担がかからないイメージのある放射線治療ですが、正常な細胞にも多少のダメージを与えてしまうため、実際はさまざまな後遺症や副作用が起こることがあります。

 

全身に起こる疲労感・吐き気・嘔吐、赤血球・白血球・血小板の減少、食欲低下などが挙げられます。

 

副作用が数か月経って急に発生することも起こります。

 

晩期障害

治療後数ヶ月~数年経ってから副作用が出てくる場合もあり、これを「晩期障害」と呼んでいます。

 

 

障害がひどいものでは、顔面の神経麻痺や脳障害、白内障、肺炎、心不全、肝機能や腎機能の低下、腸粘膜の潰瘍、不妊症などがあります。

 

また、二次がんと呼ばれるものも放射線治療の晩期障害の1つです。

 

二次がんとは、抗がん剤や放射線による正常細胞の障害のために、治療を終えた数年から数十年後にもとの病気とは別の種類のがんや白血病を生じることです。

 

頻度は低いものの、人によっては複数の箇所にできる場合もあります。

 

このようなケースはまれではあるものの放射線を照射した部位や線量の高さなどによってリスクの可能性がある患者は主治医にアドバイスをもらい、治療後の経過観察が必要です。

 

放射線治療後

治療の効果と副作用などを調べるために、定期的に放射線腫瘍医の診察を受け、必要に応じて検査を行うのが通常です。

 

放射線治療の副作用が起こる時期は、放射線治療中または終了直後のもの(急性期)と、終了してから半年から数年たった後からのもの(晩期)があるため、定期的に数年間は診察を受けることをお勧めします。

 

 

免疫療法

ここまではがん3大療法を含め主に放射線治療の説明をしてきました。ここからは免疫療法という第4のがん治療法の説明と、放射線治療と組み合わせた際のメリットをご紹介します。

 

免疫療法とは

 

放射線治療と組み合わせたメリット

放射線治療は抗がん剤ほどの重大な副作用はありませんが、身体的には十分に負担となる副作用が起こります。

 

そこで免疫療法と組み合わせにより下記の2つのメリットが得られ、痛みによる精神的・身体的な苦痛、痛みによる精神的な苦痛を緩和することでQOLが向上していきます。

 

1.放射線治療との組み合わせによって副作用の緩和

免疫細胞と関係の深い骨髄やリンパ節は放射線の影響を受けやすいため、放射線治療を行うと免疫力が低下する可能性がありますが、免疫療法と組み合わせると免疫の低下を防ぐなどの効果が期待されています。

 

2.放射線療法の効果を高める

治療で弱った免疫細胞を補い、体外で活性化させたリンパ球を投与すると、体内の弱ったリンパ球を助け、免疫力の低下を防ぐと考えられます。

 

 

今後の放射線治療への期待

高齢がん患者の増加により手術が困難な症例が増えたことに加え、生存率だけでなく治療後のQOL(Quality Of Life)が重視されるようになってきたことにより、政府は専門的に行う医療従事者の育成に注力しています。

 

他の治療方法と組み合わせた集学的治療などの研究が進み、免疫療法との組み合わせも増え、細胞損傷や痛みを軽減した治療効果が期待されるでしょう。

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