2種類に分けられる子宮癌、早期発見のために心がけたいこと

 

 

食生活の欧米化やストレスに伴い、子宮がんは増えています。女性の大切な臓器である、子宮。この子宮がんについて詳しく説明します。子宮がんについて理解することで、早期発見、早期治療に繋げましょう。

 

 

子宮がんとは

子宮がんは、2種類にわかれています。子宮体がんと子宮頸がんです。子宮体がんと子宮頸がんの違いは、がんのできる場所です。がんができる場所の違いについて詳しく説明していきます。

 

子宮体がんと子宮頸がんの違い

子宮体がんは、子宮内部の壁、内膜から発生するがんのことです。

子宮頸がんは、子宮の入り口に発症するがんのことです。子宮の入り口を子宮頸部と呼ばれます。

 

 

がんが発症する原因

がんの発生する場所は近いですが、原因は同じではありません。それぞれ、がんが発生する原因の特徴についてみていきます。

 

子宮体がんが発生する原因

女性ホルモンであるエストロゲンが関係してできる場合と、エストロゲンは関係なくできる場合の2種類あります。

エストロゲンの刺激が長時間続くことにより、がんができます。閉経が遅い、出産経験がない、肥満などの場合に、発症リスクが高い傾向があります。

子宮体がんの約8割が、エストロゲンが関係しているといわれています。

 

子宮頸がんが発症する原因

ヒトパピローマウイルスの感染が関係しているといわれます。がんを発症した90%以上の人から、このウイルスが検出されています。

その他、喫煙もがんを発症させる危険があることがわかっています。

 

 

がんによる症状

子宮体がん、子宮頸がんが発生すると、体に次のような症状が現れます。

 

子宮体がんの症状

最もよく見られる症状は、不正出血です。次のような出血のある場合は子宮がんが関係している出血が疑われます。

・閉経後の出血

・月経と無関係な出血

・月経時の出血量が多い

・おりものに血が混ざる

出血以外には、月経不順、下腹部の痛み、排泄時の痛みなどがでることがあります。

 

子宮頸がん

子宮頸がんによる症状は次のような症状が出る場合があります。

・月経と無関係な出血

・性行為の際の出血

・いつもと違うおりものの量が増える

・月経の出血量が増える

・月経が長引く

 

 

不正出血とはどういうものか

子宮体がん、子宮頸がんの症状で共通していることは、不正出血があるということです。この不正出血とはどのようなものでしょうか。次のような特徴がみられます。

 

・月経周期とは関係のない出血

・下着にシミがつくほどの少量の出血

出血が、少量だったとしても不正出血である場合があります。出血に気がついたら、早めに受診しましょう。

 

 

がんを発症しやすい年齢

子宮体がんと、子宮頸がんにはがん発症者の年齢にも違いがあります。

 

子宮体がん

40歳代から発症する人が多い。閉経後の50、60歳代が最も多い。

 

子宮頸がん

若い人に増えている。晩婚化に伴い、出産年齢が上昇しているため妊娠中にがんが発見されることも多い傾向があります。

 

 

子宮体がんと子宮頸がんの検査

定期的な検査や、気になることがあった際には早めに検査することで、早期発見、早期治療を行うことができます。子宮体がんと子宮頸がん、それぞれどのような検査が行われるか説明します。

 

子宮体がんの検査

子宮体がんは不正出血がみられます。その時点で適切な検査を受けると、がんの発見率が90%に上り、早期治療を行うことができます。

不正出血に気がついたら検査をすることが大切です。

地方自治体(都道府県や市区町村)や、加入している健康保険組合が、検査の助成を行っていることがあります。

 

子宮内の細胞と組織に異常がないかどうかを調べるために行うのは、細胞診、組織診です。

子宮がんの広がりを見るために行うのは、内診、直腸診、子宮鏡検査、超音波(エコー)、CT、MRIです。



 

検査の方法

 

内診・直腸診

膣から指を入れて、子宮や卵巣の状態を調べます。お尻から指を入れて、直腸やその周囲に異常がないかを調べることもあります。

 

細胞診

チューブのような細い器具で子宮内膜の細胞を少し採ります。採った細胞を顕微鏡で観察します。チクっとした痛みが伴うことがあります。

 

組織診

細胞診で異常が見られた場合に行います。

スプーンのような器具で、細胞診で採取したより広い範囲にわたって、内膜をこすり採ります。内膜の一部を採る場合と、内膜の全面を採る場合があります。

全面を採る場合は痛みが伴うため、麻酔かけて行います。一部を採る場合も、希望によって麻酔をかけて行うことがあります。

 

子宮鏡検査

内視鏡を膣から子宮内部に入れ、がんの大きさや形を直接確認します。麻酔をかけるため、痛みはほとんどありません。

 

超音波(エコー)検査

超音波を発生させる器具を膣から入れ、子宮内部を観察する方法です。超音波を体の表面に当てて、臓器から帰ってくる反射の様子を画像にする検査もあります。痛みはありません。

 

CT、MRI検査

CTはX線を使って、体の内部の断面図を写しだします。治療前に、がんの広がりを見る方法です。MRIは磁気を使って検査をする方法です。

 

子宮頸がんの検査

子宮頸がんは、異形成という段階を経て、細胞ががん化するとされています。このがんになる前の状態を検査で調べることができます。そのため、無症状であっても定期的に検査に行くことで早期発見が可能です。

 

20歳以上で2年に1回検査を受けることを推奨されています。地域の医療機関や加入している健康保険組合の検診で受けることができます。

2年に1回、定期的に受けることで早期発見に繋がります。

 

検査方法

子宮がん検診は、細胞診が行われます。がんが疑われたときは、組織診、コルポスコープ診を行います。

がんの広がりを見る検査は、内診、直腸診、超音波検査、CT、MRなどがあります。

 

細胞診

ブラシまたはヘラのようなもので、膣の入り口をこすって細胞を採ります。通常、痛みはありません。

 

組織診

細胞診で異常があった場合、がんを疑われる組織から一部を切り取ります。痛みを感じることや、出血のある場合があります。

 

コルポスコープ診

コルポスコープという拡大鏡で子宮頸部の粘膜表面を観察します。観察するだけでなく、異常がある部分を採取することもあります。

 

CT、MRI

CT、MRは子宮体がんと同じ方法です。CTはX線を使って、体の内部の断面図を写します。MRIは磁気を使って検査をする方法です。

 

 

子宮筋腫について

子宮にできた腫瘍が、検査の結果良性だった場合、子宮筋腫といいます。良性の腫瘍は異常な細胞分裂により塊ができている状態ですが、それ以上他の臓器へ広がるおそれはないといわれる腫瘍です。そのため、がんとはいいません。

子宮筋腫は30代~40代女性が多い傾向があります。子宮筋腫が命を脅かすおそれはありません。

 

症状

子宮筋腫ができると、次のような症状が現れます。

・月経の量が以前と比べて多くなった

・月経痛がひどくなった

症状によっては、不妊や流産をすることもあります。

がん化することはないといわれますが、はやめに受診し治療することが大切です。

 

4種類の子宮筋腫

子宮筋腫は、できる場所によって4種類にわかれています。

 

筋層内筋腫

子宮の壁にできる筋腫のことです。子宮筋腫の中で最も多い筋腫です。

 

下筋腫

子宮の壁の外側にできる筋腫です。外に向かって大きくなるため、子宮外に突出してしまうこともあります。月経に症状が現れないため、見過ごされやすい傾向があります。

 

粘膜下筋腫

子宮の壁の内側に向かって大きくなる筋腫です。受精卵の着床に影響しやすく不妊の原因になることもあります。

 

頸部筋腫

膣に近い、子宮の入り口あたりにできる筋腫です。

 

注意したい子宮筋腫による症状

良性の腫瘍で広がるおそれはないため、大きさや症状によっては摘出せずに経過観察することも多くあります。しかし、出血量が多いため貧血を起こす場合や、激しい月経痛から生活の支障をきたす場合があります。我慢せず医師に相談しましょう。



 

 

卵巣がんについて

子宮の両脇には、卵巣という臓器があります。ここで発生するがんのことを卵巣がんといいます。卵巣でできる腫瘍には、良性と悪性、その中間的な境界悪性があります。

 

卵巣がんが進行すると起きること

卵巣がんが進行すると、おなかの中にがんが広がります。それを腹膜播種(ふくまくはしゅ)といいます。卵巣の近くには大腸や小腸があるため他の臓器へ転移する恐れもあります。

 

卵巣がんの自覚症状

卵巣がんの初期は、自覚症状はほとんどありません。下腹部にしこりが現れる、おなかが張る、トイレが近くなるといった症状が現れたときには、すでにがんが進行していることも少なくありません。

子宮体がんや子宮頸がんを検査すると共に、卵巣がんも定期的に検査しましょう。

 

卵巣がんの検査

卵巣がんは、直接ブラシなどで細胞を採取することはできません。そのため、血液検査やCT、MRI検査が行われます。もし、卵巣に腫瘍があれば、血中の腫瘍マーカーの値が高くなります。

 

 

子宮体がんと子宮頸がんの治療

子宮体がんと子宮頸がんはどのような治療を行うのか見ていきます。

 

子宮体がんの治療

手術によりがんを取り除くことが基本の治療です。癌の広がりに応じて、放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン療法を合わせて行います。

早期であれば、子宮を残すことが可能な場合もあります。

 

子宮頸がんの治療

子宮頸がんも、基本的は手術で取り除く治療を行います。広がり方によって切除の方法が変わります。

子宮頸部のがん組織のある部分だけを円錐に切除する方法や、子宮を切除する方法もあります。

子宮や膣の一部を切除する方法や、リンパ節を取り除く場合もあります。

 

免疫療法について

子宮体がん、子宮頸がん共に、切除手術や放射線治療、抗がん剤治療と合わせて行うことができるのが免疫療法です。

免疫力が上がると、体ががん細胞と闘うことができます。がん細胞の増殖を抑えてくれる役割もあります。そのため、がんを切除したあとのがんの再発を抑える働きもあります。

ワクチンを打つと、徐々に上がっていくのが免疫です。そのため、早い段階から取り入れることをおすすめします。

 

 

子宮にまつわるがんにはやく気がつくためにできること

子宮や卵巣は女性にとって重要な場所です。早期発見し、早い段階で治療を始めることで、大切な子宮や卵巣を失わずに済みます。早い段階で不調に気がつくために何ができるでしょうか。次の2つを意識しましょう。

 

・月経周期を記録する

月経開始日と終了日を手帳などに記録するようにしましょう。記録することで、生理周期に乱れがないかすぐにわかります。また、月経に関係のない出血があった際もすぐに気がつくことができます。また、婦人科を受診する際に、月経周期を医師に伝えられるため、診察もスムーズに進みます。スマートフォンのアプリなどを使用すると簡単に記録できます。

 

・定期健診を受ける

地方自治体や健康保険組合などが行っている子宮がん検診を受けましょう。定期的に受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。

 

・異変を感じたらすぐに受診する

いつもの月経と違うかもしれないと感じることがあったらすぐに受診するようにしましょう。出血量が多くても受診することができるため、出血が止まるまで我慢する必要はありません。悪化する前に、適切な治療をはじめましょう。



 

 

まとめ

子宮がんには、子宮体がんと子宮頸がんの2種類と、子宮の両サイドにある卵巣にできる、卵巣がんがあります。

子宮にできた腫瘍が良性だった場合は、がんではなく子宮筋腫といいます。

 

いずれも、現れる症状には不正出血があります。不正出血と月経は判断がつかずに見過ごしてしまうことがあります。

見過ごすことを防ぐためには、日ごろから月経周期を把握することを心がけましょう。

女性にとって大切な臓器である子宮を守るために、気になることがあった場合はすぐに受診する、定期的な検査をすることが大切です。 

がんの免疫療法完全ガイド

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