大腸がん 肝転移

 

肝臓に最も転移しやすい大腸がんですが、肝臓を含め他の臓器に転移した時はすでに大腸がんのステージⅣと分類されます。大腸がんの肝転移は、早期発見し、完全に治すことができれば、その先の臓器にがんが転移することを防げます。合併症として起こる腹膜播種やがんのリンパ節再発がなければ、肝転移の早期発見とそれに対する治療によって治癒する可能性もあります。ここでは大腸がんの肝臓転移の治療法、転移の予防、ステージⅣの状態とどのように向き合えばよいかなどの参考になる情報を紹介します。

 

 

大腸がんについて

大腸がんとは

大腸は食物が消化吸収された残りの腸内容物をため、水分を吸収して大便にする器官です。大腸菌や乳酸菌などの100種類以上の腸内細菌が存在しており、食物繊維の分解や感染予防の働きなどをしています。直腸は便の貯留と排出に非常に重要な役割を担っています。

大腸は主に盲腸、結腸、直腸の3つに分けられます。

 

盲腸は特に大きな働きはしていませんが、結腸は水分やナトリウムを吸収したり、便を作ります。また、小腸で消化しきれなかった炭水化物やたんぱく質を分解、吸収し便を直腸に流します。大腸がんは粘膜に発生し、粘膜にできたポリープ(良性腫瘍)ががん化するパターンと、粘膜から直接がん化するパターンの2つあります。

大腸がんの危険リスクとして欧米化した日本の食生活が挙げられますが、最近では飲酒によるアセトアルデヒトの摂取が、DNAを作る葉酸を破壊し、がん化するリスクを高めるということが明らかになってきました。男性の大腸がん患者の4分の1が1日23g以上のアルコール摂取をしていたというデータもあります。

 

大腸がんの肝転移

大腸がんが肝転移しているということはステージⅣということです。大腸がんのステージⅢでの5年生存率は約6割強ですが、これがステージⅣになると5年生存率18%と急激に下がります。大腸がんは何故肝臓に転移しやすいのでしょう。大腸がんは、肺や脳などの命に関わる重要な臓器に転移してしまう可能性が高く、その中でも最も転移しやすいのは肝臓です。大腸と肝臓が血管でつながっており、大腸を含む消化器で吸収された栄養分が門脈という血管を通り、一度全て肝臓に流れ込みます。肝臓が大腸から吸収された栄養分が血流に乗って一緒に流れてくると、肝臓にはがん細胞を受け止めるフィルターのような存在だからです。そのためがん細胞も大腸から肝臓へと運ばれ、滞留し、肝転移が起こります。

 

 

肝転移の自覚症状

肝臓に転移していると全身倦怠感、貧血、吐血、食欲不振、腹部のしこりなどがあります。目に見えて分かるものとそうでないものが症状として現れます。特に黄疸が出た際は注意しなければなりません。黄疸というのは肝臓で胆汁の排泄ができなくなったため、眼球の白眼の部分や皮膚が黄色くなることです。これらの症状があればすぐに病院で診察を受けましょう。

 

 

治療法

手術、化学療法、熱凝固療法

治療法には主に下記の3つがあります。

手術:大腸がん肝転移の手術ができるかどうかは、どれだけ正常な肝臓に影響を及ぼさないように切除できるかが重要です。肝臓がんと肝疾患が併発していると、治療の面では影響が出るのでデメリットについて医師に確認するのも良いでしょう。手術が可能と判断された場合、肝臓を切除する手術が行われます。肝臓への転移が1つであっても複数あっても、手術が最前と判断されれば進めることは可能です。個数が多い時は手術の回数を分けることもあるそうですが、複数個所ある場合は次の化学療法が主流となっています。 がんの病巣だけでなく肝臓を切除すると聞いて驚くかもしれませんが、大腸がんの肝転移の手術は治療成績が良い方で、手術で転移巣が全て切除されたとしても約40%の患者は治癒すると言われています。

化学療法:化学療法:手術ではがんを取り除くことができない場合、化学療法を勧められます。腫瘍が大きすぎて手術が出来ない場合に化学療法が用いられることもあります。一旦化学療法で腫瘍を小さくしてから手術をすれば体への負担が軽減されるからです。化学療法は点滴か内服が主流ですが、肝転移の場合、肝動脈にカテーテルを入れてそこから肝臓へ化学療法を注入する方法もあります。直接患部に化学療法を注入することにより少ない化学療法で高い効果が得られます。化学療法は副作用があまりにもひどく問題になることもありますが、この方法であれば、吐き気などの副作用が少なく患者への負担も軽減されます。
 熱凝固療法:手術ではがんを全て切除できない場合、転移したがんの大きさが小さければ熱凝固療法が行われることがあります。この療法は、がんの正確な位置を確かめた後、皮膚の上から専用の針を刺し、針の先端から電磁波を発生させ、がんを熱で固めて焼くという方法です。この治療法もピンポイントな治療のため、副作用があまりないと言われています。

 

大腸がんの肝転移予防のために

食生活、運動など

大腸がんを経験している方は肝臓への転移のリスクを念頭に置き、3ヶ月に1度は定期検査を受けましょう。早期の発見により転移や再発が防げますし、生存率も高まります。

大腸がんの手術を終えた後、基本的には食事制限はありませんが、栄養バランスの偏りなく、規則正しく食事をしなければなりません。腸閉塞を引き起こしやすい消化の悪い食品や食物繊維を含む食品、ガスが発生しやすい食品、刺激が強い食品なども術後3ヵ月は控えた方が良いでしょう。採るべき食事としては例えば、肉類であれば脂身の少ないささみ、卵、豆腐、乳製品も推奨されています。また、海藻、こんにゃくは水溶性の繊維で保水性があるため、大腸の粘膜を保護する働きもあります。調理法は油を使うのではなく、煮る、蒸す、焼く、細かくきざむが良いとされています。また、一度大腸がんを経験した方で飲酒が習慣になっていた方は、リスク要因となるお酒の量を改めて見直すべきでしょう。大腸がんがもし転移してしまったときに肝臓の機能が弱っていると治療に影響が出てくることも考えられます。

 

その他にがんになりにくくする方法、進行させない方法としては直射日光を避け、ストレスをためず、ビタミンなどの抗酸化作用のある栄養素を摂ることです。大腸がん経験者は特に便秘が癖にならないよう、老廃物である便を腸内に長く停滞させないように気をつけましょう。規則正しい排便習慣や適度な運動によって腸内の働きを健康にしておくことが転移予防につながる生活習慣の一つと言えます。

 

 

免疫療法

これは全てのがんに言えることかもしれませんが、体のどこかの部位にがんが見つかり手術で腫瘍を取り除いたとしても、潜在的ながん細胞は体に残っている可能性があります。そのがん細胞が、症状も示さずに水面下で再発や転移を起こしている可能性があるということを、一度がんを発症した患者は注意して生活しなければなりません。肝臓はがん細胞を一度せき止め蓄積しますが、これに気づかずがんが肝臓に転移し悪化してしまうと、がんがさらに肺やその他の臓器にまで転移してしまうこともあります。

大腸がん患者本人の免疫力が強いと、肝臓に流入したがん細胞を免疫細胞が壊し、転移を食い止めることもありますが、どんなに小さな大腸がんでも、肝転移の可能性はゼロではないと心得ておく方がよいでしょう。免疫療法という治療法は、がん3大療法(手術、放射線療法、化学療法)の次に効果が期待される治療として注目されています。特に再発、転移の予防にも効果を示す可能性が高いと言われています。がんを発症して化学療法などを受けると免疫力を低下させ、DNAを破壊します。一度破壊されたものは、日常普通の生活をしながら元通りにするのは難しい部分があるかもしれません。一度がんを発症し、転移や再発を避けたいという強い希望を持っている患者には免疫療法で予防をする方もいらっしゃいます。特に高齢者の方や、がん患者が家族にいる方、体力に自信がない方は前向きに免疫療法を取り入れてみても良いでしょう。免疫療法は人間の体に本来備わっている病気を防ぐ力を最大限に引き出していく治療法で副作用もなく、DNAに悪影響を及ぼすこともありません。3大療法と肩を並べるほど浸透はしていませんが、一部の免疫療法は保険適用も進んでおり、注目されている治療法です。

 

緩和ケア

化学療法の効果が期待できないほど末期の状態であったり、高齢などで体力が十分でなかったりする患者の場合は、無理に化学療法などを行なわず、緩和ケアを優先させることもあります。緩和ケアは身体的苦痛だけでなく、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛(生きる意味、治療を続ける意義など)の緩和を目的とし、精神的な絶望感、サポートをしているときの精神的・身体的な辛さについても緩和ケア専門の心療士が存在します。

 

精神腫瘍科、がんサロン

大腸がんの肝転移はステージⅣのため、末期を想像する患者も多いようです。治療成績は比較的良いがんの種類ではありますが、そのことを告げられた患者の心には相当な苦痛が起こるでしょう。最近ではこのようながん患者の心のケアとして「精神腫瘍科」という部門が出てきました。1970年代ごろから設立され始めてきた比較的新しい部門です。病名告知による幅広い精神的障害に対応しています。しかしまだ日本では数が少ないのが現状のため、もし近隣にあれば検討してみても良いでしょう。また、がん患者同士で話すことも心のストレスの軽減に役立つでしょう。がん患者が集う「がんサロン」という場が病院内に備わっていたり、NPOでもこのような場を提供しています。そこではがん体験者が、患者の悩みを聞く「ピアサポーター」という制度もありますので是非活用してみましょう。

 

 

さいごに

近年では医療技術の発達によりステージ重篤な状態であっても、がんと共存するような方法も出てきています。転移性の肝がんはステージⅣと聞かされて、「もう助からない」と思う人もいるでしょう。がんが進行しないように治療と向き合ってきた患者にとっても、今まで元気だったのに転移していたと知らされると悲観的になってしまうでしょう。しかし、落ち込み続けてしまっては免疫が次第に下がっていき、がんを乗り越えられる体力が奪われてしまいます。前向きな気持ちで免疫力と治癒力を高めていきましょう。

 

医療ライター。
医薬系会社にて医療事務に従事する傍らで、美容系サイトにて痩身美容(脂肪吸引など)ついて執筆するフリーライター。
主に得意分野は、がんや免疫療法、経営者インタビュー記事作成など。

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