大腸がん予防に効果的な生活習慣の見直し方4つ

大腸がんを予防するために生活習慣を改善することは、とても有効な手段です。

 

大腸がんは他の部位と比較しても、年々罹患率が増加している傾向があるようです。

 

食事の欧米化が進む中、脂肪や糖分たっぷりのご飯ばかりだと腸の老化が進み、大腸がんのリスクはグンと高まるでしょう。

 

そこで、大腸がんを予防するための生活習慣の見直し方について詳しく解説いたします。

 

生活習慣と大腸がんの予防の関係

生活習慣(食事・飲酒・煙草・運動・体重)を規則正しく心がけるほど、がんの予防になると科学的に実証された研究が発表されました。

 

原因

予防できたはずの癌

男性

女性

喫煙

29.7%

5%

受動喫煙

0.2%

1.2%

感染

22.8%

17.5%

飲酒

9%

2.5%

塩分摂取

1.9%

1.2%

過体重・肥満

0.8%

1.6%

野菜摂取不足

0.7%

0.4%

果物摂取不足

0.7%

0.8%

運動不足

0.3%

0.6%

合計

53.3%

27.8%

 

 科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究

資料:「科学的根拠に基づくがん予防(A5冊子)」

Inoue, M. et al.: Ann Oncol, 2012; 23(5): 1362-9より作成

http://epi.ncc.go.jp/can_prev/index.html

 

こちらのデータは2018年5月に発表されたがん予防の研究結果です。

もしも生活習慣を改善していれば何%の予防ができたかを数値として表しています。

 

がん予防と生活習慣の関連性はこれまではっきりとは検証されませんでした。

しかしこのデータによると、生活習慣を改善しているとがんを予防できた可能性は…

 

男性 30.5%

女性 10.3%

 

UPできていたということが分かります。

 

つまり、大腸がんの予防も生活習慣を改善することによって、予防の効果が期待できることが言えます。

 

ちなみに、生活習慣(食事・飲酒・煙草・運動・体重)の項目を規則正しく心がければかけるほど、がんのリスクは減少します。

5つの項目の生活習慣を改善すると、男性=43%、女性=37%のがん予防が期待できると言われています。

 

そこで生活習慣の項目ごとに、大腸がんについて詳しく見ていきましょう。

 

 

食事を改善

1日あたりの野菜と果物の摂取目標として、

 

野菜=小鉢5品

果物=1品

 

達成することで約400gとることができます。

 

大腸がんの予防に効果的な栄養素として、

 

・食物繊維

・ビタミンD

・カルシウム

 

を積極的にとりましょう。合わせて減塩を意識することも大切です。

 

食物繊維で腸を若くする善玉菌を増やす

腸内細菌(善玉菌・悪玉菌・日和見菌)のバランスで腸の若さが決まります。

大腸の腸内細菌は重さにして1㎏~1.5㎏もあり、健康と美肌を左右する力を持っています。

健康的に美肌に効果を発揮するのが、善玉菌です。

 

善玉菌を増やす栄養素、食物繊維を多く含む食べ物が大腸がんのリスクを下げ、大腸を若々しく保つ鍵となるようです。

 

食物繊維が多い食べ物

玄米・豆類(大豆、あずき、納豆、おから)・さつまいも・こんにゃく・ごぼう・セロリ・アスパラ・キャベツ・白菜・みかん・バナナ・しいたけ・えのき・しめじ・わかめ・寒天・にんにく・アボカド・パセリ・しそ・よもぎ 

 

・善玉菌とは…

腸内環境を整え、健康と美肌力をUPさせる腸内細菌

 

・悪玉菌とは…

腸内環境に悪影響を及ぼし、腸を老化させ肌へのダメージを与える腸内細菌

 

・日和見菌とは…

状況に応じて、善玉菌の手助けをしたり、悪玉菌の手助けをする腸内細菌

 

相性の良い善玉菌を探すヨーグルト選び

ヨーグルトには、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果があります。

しかし、善玉菌にも種類があります。

 

・ブルガリア菌

・ビフィズス菌

・LG21

・LC1

 

等いくつも種類があり、人それぞれ相性の良い善玉菌は違います。

そこで自分に相性の良いヨーグルトを選ぶために、

 

1日当たり200~300g程度を約2週間試してみましょう。

 

・肌

・お通じ

・体調

 

これらの様子を見て問題ないことが選ぶ基準です。

もちろん、続けて食べられるくらい好きな味かも選ぶことにおいて大切な要素です。

 

カルシウム、ビタミンDでがんの促進を抑える

大腸がんが進行する背景には、二次胆汁酸によってがん細胞が広がり、増殖していることが原因です。

カルシウムには、二次胆汁酸を吸着し、がん細胞の広がりを食い止める力があります。

ビタミンDには、カルシウムの働きを活性化する効果が期待できると言われています。

 

カルシウムが多い食べ物

牛乳・チーズ・ヨーグルト・大豆・海藻・桜海老・しらす干し・モロヘイヤ・しそ・ししゃも

 

ビタミンDが多い食べ物

にしん・鮭・サンマ・うなぎ・煮干し・干しシイタケ

 

 

二次胆汁酸とは…

コレステロールから肝臓で作られた有機酸を胆汁酸と言います。胆汁酸は胆汁の中にあり、一次胆汁酸、二次胆汁酸へと変化します。

 

腸内細菌の働きによって分解されることで二次胆汁酸へと変化すると言われています。

 

肉の食べすぎは予防に逆効果!?

肉に多く含まれる動物性脂肪が大腸がんのリスクを高めます。

動物性脂肪を大量摂取することで、がん細胞の働きを活性化させる二次胆汁酸が胆のうからたくさん作られるからです。

 

長時間大腸内に二次胆汁酸が留まることで、大腸がんへのリスクが高まると言われています。

 

なので、二次胆汁酸を大腸から排除するために食物繊維を取って、便通を促すことは腸がん予防に効果的な方法なのです。

 

ちなみに同じ肉でも牛肉と豚肉を比較した場合、サラミやベーコンなどの加工品を除き、豚肉には大腸がんのリスクは低くなっているとも報告されています。

 

サプリメントと大腸がん予防効果

大腸がんには、腸内環境を改善するために「食物繊維」が有効です。

そこで大腸がんを含むあらゆる病気の予防のためにサプリメントを摂取する人も多いでしょう。

 

しかしサプリメントだけに食物繊維の栄養素を頼るのは危険です。

実はサプリメントだけの食物繊維の摂取は逆に悪性ポリープが増えると言われています。

そして食物繊維を一切取らない場合も、大腸がんのリスクは上がります。

 

食事から食物繊維をしっかり取っている場合は、大腸がんの予防効果を高めてくれるのです。

 

 

喫煙で大腸にも発がん性物質が送られる

喫煙すると、煙草を吸わない人より約1.5倍発がんのリスクがあると言われています。

煙草から出る煙には、発がん性物質が多く含まれているからです。

 

喫煙することで、煙が直接触れる気管や肺だけでなく大腸の粘膜にも発がん性物質が流れているということなのです。

 

 

飲酒は適量が大事

飲酒はほどほどであれば、身体の免疫力を高めるNK(ナチュラルキラー)細胞の働きを活性化させ疲れを癒す効果があると言われています。

 

飲み過ぎることで、お酒に含まれるエタノールが、アセトアルデヒドに分解され発がん性に関わると言われています。

アセトアルデヒドには、DNAを作る葉酸を破壊する働きもあるとも言われています。

 

超えるとがんリスクが高まる飲酒量

酒の種類

がんリスクがUPする1日当たりの飲酒量

日本酒

1合

ビール

大ビン(633ml)1本

焼酎、泡盛

原液で1合の2/3

ウィスキー、ブランデー

ダブル1杯

ワイン

ボトル1/3程度

 

科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究

資料:「科学的根拠に基づくがん予防(A5冊子)」

Inoue, M. et al.: Ann Oncol, 2012; 23(5): 1362-9より作成

http://epi.ncc.go.jp/can_prev/index.html

 

上記の表を目安に適度に飲酒を楽しみましょう。

 

 

【女性限定】コーヒーは結腸がん予防に効果あり

コーヒーには、発がん性を進行する二次胆汁酸の働きを抑える効果が期待できる研究が報告されており、大腸がんとコーヒーとの関連性について注目されています。

 

これらの報告により、コーヒーと大腸がんとの明確な関連性を調べるために、統計解析を国立がん研究センター予防研究グループが統計解析を行ったところ、関連性は認められませんでした。

 

そこで、細かく大腸がんの部位別(結腸がん・直腸がん・近位結腸がん・遠位結腸がん)にコーヒーとの関連性について研究されました。

 

・1日1杯コーヒーを飲む

・1日2杯コーヒーを飲む

・1日3杯コーヒーを飲む

 

3つのコーヒー飲用グループに分けて、検証されました。

 

すると女性の場合、結腸がんのリスクが20%低下することが確認されました。

大腸がん全体において、予防効果は実証されなかったものの、結腸がんのみにおいてはコーヒーとの関連性が認められています。

 

コーヒーで結腸がんを予防するメカニズムには

 

・発がん性を進行する二次胆汁酸の働きを抑える

・炎症を抑える

・ポリフェノールによる抗酸化作用

・ミネラルが豊富

・腸内運動の活性化

 

これらのコーヒーの成分作用によるものだと言われています。

 

 

運動は大腸がん予防に◎

身体をよく動かすと、大腸がん及びすべてのがん、さらには心疾患のリスクが減少すると言われています。

 

厚生労働省が発表する「健康づくりのための身体活動基準2013」の報告では、

 

18歳~64歳

運動時間:60分

運動内容:歩いたり、同等以上の活動量の多い運動を毎日心がける

 

65歳以上

運動時間:40分

運動内容:高齢者は活動量の強度関係なく、運動を毎日心がける

 

資料:「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」について

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple.html

 

 

痩せすぎ太りすぎはがんのリスクを上げる

肥満度指数を示すBMI※の値によって、がんの死亡リスクが高まります。

以下の表によると、がんの死亡リスクはBMIが高い人と低い人が高いという結果が示されています。

 

つまり、痩せすぎ太りすぎが要因となってがんの死亡リスクが高まるということです。

 

理想のBMIを男女別に見てみましょう。

 

男性のBMI値=21~27

女性のBMI値=21~25

 

※BMI=(体重kg)/(身長m)2

図4 BMI値と死亡リスクとの関連(日本の7つのコホート研究のプール解析 )

https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html

 

ただし、煙草を吸わず痩せている人はがんのリスクは高まらないと言われています。

女性の場合は閉経後にBMIが高くなると乳がんのリスクも高まりますので、肥満には十分に注意しましょう。

 

 

「大腸がん」という病気

図1 大腸の構造

 

資料:大腸がん(結腸がん・直腸がん) 

基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ

https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/

 

大腸は消化吸収済みの食べ物を外へ排出するために最終処理する消化管です。

大腸は大きく3つの部位から構成されています。

 

・盲腸

・結腸

・直腸

 

これらの部位にできたがんが、大腸がんです。

大腸がんは、がんが生じた部位によって名称が変わります。(例:直腸がん、結腸がん等)

 

大腸がんの罹患率

大腸がんは、40代以降から増加する傾向があります。

50代以降でさらに加速化し、歳を取るにつれて大腸がんになるリスクは高まります。

 

1年間で大腸がんと診断される人数

・男性 10万人うち121人

・女性 10万人うち86.4人

 

男性のがん罹患ランキング

第1位 胃がん

第2位 肺がん

第3位 大腸がん

 

女性のがん罹患ランキング

第1位 乳がん

第2位 大腸がん

 

男女ともにがんの罹患率を部位別に見ても、大腸がんは上位に位置します。

実は大腸がんは昔よりも罹患率が高くなってきつつあります。

その背景には、食事の欧米化にともない、栄養バランスが崩れがちであることが要因とされています。

 

動物性脂肪や高タンパクの食事中心で食物繊維が不足し、腸内環境が悪くなると発がん性物質の働きを促進する二次胆汁酸の温床となります。

 

もちろん食事だけが原因ではなく、運動不足や喫煙、ストレス、飲酒などの生活習慣の悪化も関係します。

 

大腸がん二次予防のための検診

男性女性ともに、40歳以上であれば年に一度の大腸がん検診を受診しましょう。

 

大腸がん検診のねらいは、早期発見による治療を進め、進行を予防することです。

大腸がんの死亡リスクをさげることが最終目標となります。

 

検診費用は多くが公費を市町村が請け負っていますので、一部の自己負担額で済みます。

 

検診の内容

・問診

・便潜血検査

・大腸内視鏡検査

 

・問診

自覚症状や病歴(家族を含む)を確認します。

大腸がんに関連するかを調べる目的とします。

 

・便潜血検査

大腸がん及びポリープ等の炎症により出血が便に混ざっていないかを調べます。

便潜血がある場合、通常は目で確認することができません。

量が少ないことが多いためです。

大腸がんの便潜血の場合、出血は断続的ではなく間欠的であるため、1日~2日間にかけて検便する必要があります。

 

・大腸内視鏡検査

便潜血検査の結果、精密検査の必要有りと診断を受けると、通常は大腸内視鏡検査を行います。(※他の検査を実施する例もあります)

 

悪性のポリープが見つかっても、粘膜内にとどまっている大きさのものであれば、内視鏡治療で切除が可能です。

ちなみに内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術-ESD)の保険適用の枠も広がり、2㎝以上の病変にも切除対応可能となっております。

 

 

大腸がんは、他の部位にできるがんと比較して進行が遅い傾向がありますが、まれに検診と検診の間にがんの進行が早まるケースもあります。

腹痛や便の状態に違和感があれば、検査を受診することをおすすめします。

早期発見、治療を受け、悪性ポリープの切除をすることで抗がん剤や放射線治療を受けることなく治療に望めます。

 

 

免疫力UPで大腸がんを寄せ付けない

体内の免疫力をUPさせることで、細胞のがん化を防ぎ大腸がんを寄せ付けない身体づくりを心がけることも大切です。

 

免疫力をUPさせるためにはこれまで紹介した生活習慣の改善をすることも有効な手段です。

 

その他に免疫細胞を人工的に増やし、自らの免疫力を高める獲得免疫についてご紹介します。

 

獲得免疫(NK、HITV)

注射器などを使用し、外からがん細胞に打ち勝つ免疫細胞を注入する方法です。まれに微熱などを起こしますが、ほとんど副作用は見られません。

 

例をあげると丸山ワクチンやハスミワクチンがあげられます。費用としては平均的に月に3~5万円程度かかります。

 

また近年、がん細胞に攻撃する能力が高いNK(ナチュラルキラー)と呼ばれる免疫細胞が注目されています。

NKを使用した免疫療法の場合、注射器の1本の価格が高額であるため、1回の治療費も高額になります。

通常NK療法は、6回投与のケースが多いです。

価格は約150~200万です。

継続すればさらに加算され、長期的に打ち続けた場合、約700万円前後と言われています。

 

この他に、手術適応外の再発がん、末期がんなどに適応できる免疫療法もあります。

それが樹状細胞を活用したHITV療法です。

 

樹状細胞とは、体内に侵入したがん細胞を異物と判断し、排除する働きを持ちます。

 

HITV療法は樹状細胞を活用することで、全身に広がった細かいがん細胞まで排除することが可能だと言われている療法なのです。

 

免疫療法にもさまざまな種類があるため、無理なく続けられる治療法を探しましょう。

 

 

予防には毎日の積み重ねが大切

大腸がんの予防には、

 

・腸内環境を整える食事

・適度な運動と体重維持

・禁酒

・禁煙

 

4つの生活習慣に気を付けることを基本にすることが大切です。

生活習慣の乱れと大腸がんのリスクは比例していると考えられます。

 

一時的ではなく毎日コツコツと続けることで、大腸がんのリスクも減らすことができるでしょう。

 

もちろんストレスを抱えるような無理な習慣は返って逆効果になることも考えられますので、自分の身体に無理なく続けることが、大腸がん予防の効果を高める秘訣とも言えます。

がんの免疫療法完全ガイド

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